“孤独死しやすい人”の特徴 人知れず逝く「中壮年」たち

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エリート層も無縁ではない

 北島三郎の次男、大野誠さんの話に戻れば、

「おとなしく地味で、ミュージシャンといっても食っていけるレベルでなく、親から小遣いをもらって生活していて、何ができるわけでもなかったですね」

 と芸能記者。重なるものが感じられないか。

「次に孤独死しやすいのが認知症の高齢者、その次が生活保護受給者です。前者はゴミ部屋になっていることが多く、ある高齢男性は天井近くまでゴミを積み上げ、その上に布団を敷いて寝起きし、そこで亡くなっていました。生活保護受給者は行政とつながっていても、ケースワーカーが個別訪問できるのは3カ月に1度くらいなんです」

 と石見氏。一方、若くても部屋にゴミを積み上げてしまうことがあり、

「41歳の女性の准看護師は、170センチの高さまでゴミが積み上がって、そのなかに人が1人座れるくらいの空間があり、そこで亡くなっていました。仕事のストレスから精神疾患にかかり、セルフネグレクトの状態に陥ったようです」

 むろん、いわゆるエリート層とも無縁ではない。

「周囲に本を積み上げたソファーの上で亡くなっていたのは、一流企業に勤めていた45歳の男性で、ストレスからの休職が長びいて最終的に離職。その後、退職金を食いつぶして生活しながら“何とかしなければ”と考えていたようで、亡くなる1カ月前、地方の両親に電話をしたそうです。でも“助けて”と言えず“元気でやってるよ”。ご両親は“あのとき顔を見に行けばよかった”と悲しんでおられました。婚活用の写真も撮っていたんですが、室内には糖尿病の薬もたくさんありました。夏場、死後1カ月半で発見されたので、部屋は大変でした」

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