W杯ロシア大会にテロの懸念 不気味な“IS残党”の存在

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 ロシア開催のサッカー・ワールドカップは、6月14日、モスクワでの開幕試合を皮切りに、サンクトペテルブルクなど11都市で、32日間の熱戦が繰り広げられる。グループHの日本は、19日の初戦でコロンビア、24日にセネガル、28日にポーランドと対戦する。

 日本代表の最終メンバーの発表が待たれるが、そんな期待に水を差す不穏な情報が流れている。過激派組織イスラム国(IS)が大規模なテロを企てているというのだ。ドイツの大衆紙「ビルト」(電子版)は、次のように伝える――。

〈ドイツ連邦検事局は、6月からロシアで開催されるW杯でIS戦闘員によるテロの危険性が高まっているとの極秘文書をまとめた〉

 在ドイツの作家・川口マーン惠美氏によると、

「ビルトのスクープを他のメディアも後追いしていました。ドイツ国内では大きな騒ぎとなっていますよ」

 ドイツはV候補の一角で、制覇すれば最多5回のブラジルに並ぶ。

 ISといえば、昨年10月、シリアでの「首都」ラッカを制圧され事実上崩壊、首領バグダディには死亡説も流れる。

「だからといってISが消滅したわけではありません」

 と語るのは、現代イスラム研究センター・宮田律氏。

「残党は世界に散り、テロの機会を窺っているんです。特にロシア南部カフカス地方は元々イスラム過激派が蔓延(はびこ)り、多くのIS戦闘員を生んでいます。彼らも故郷に戻っているでしょう」

 ラッカ陥落時には腹いせとばかり、メッシやネイマールらをコラージュした処刑画像を配信し、盛んにW杯テロを煽っていた。2年前のリオ五輪の際にはテロを企図したIS関係者10人が逮捕されている。

「アレッポ、東グータなどシリア各地を、市民を巻き込み徹底して死の街にしたのは、アサド政権と組んだロシアの容赦ない空爆。彼らのプーチンへの恨みは骨髄のはず。動機としては十分です。“目には目を”がモットーですから」(同)

 フーリガンなぞ、かわいいもんだ。

週刊新潮 2018年3月22日号掲載

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