巨匠デュトワを切って大丈夫? みなさまのN響

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 スイス・ローザンヌ出身の世界的指揮者、シャルル・デュトワ(81)が、セクハラ疑惑で今年12月に予定されていたNHK交響楽団・定期演奏会への出演をキャンセルした。デュトワは現在N響の名誉音楽監督のポストにあるが、どうやらこのポストを解任されることになる見通し。

 さるオーケストラ事情に詳しい評論家が言う。

「昨年12月に3人の女性歌手からセクハラを告発されたのが、事の発端です。そのうちの1人がシルヴィア・マクネアー(61)というアメリカ人の大物美人歌手だったことから騒ぎが大きくなった。しかも彼女の告発は詳細を極めている。デュトワが芸術監督兼首席指揮者を務めていた英国のロイヤル・フィルハーモニーがこれを問題視し、1月に彼を解任したのです」

 そこで慌てたのが、みなさまのNHKとその関連団体である名門N響だった。

「デュトワは、例年12月に来日して定期演奏会3種のプログラムを指揮するのですが、ちょうど海の向こうの告発で尻に火がついていました」(同)

 だが、このマエストロに同情する声もあるという。

「だって、指揮者の女狂いなんて珍しくもない話。共演する歌手を抱くのは当たり前と思っている人さえいる。30年前の行為を今さら告発したって、当時とは倫理観も違います。フルトヴェングラーはホールの清掃婦から切符もぎりのおばさんとまで同衾した。カラヤンは勢い余って男にまで手を出した。優れた指揮者は皆、エネルギーの塊です。確かにデュトワは3回離婚した筋金入りのプレイボーイですが、音楽監督としてN響を鍛え上げた功績大の功労者です」(同)

 親方日の丸。こんなに大衆迎合的では、N響に来日する指揮者も気の毒?

週刊新潮 2018年3月22日号掲載

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