思想的な意図はない? 「昭和天皇」モデルのピンク映画 右翼重鎮が苦言

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不敬描写で公開延期「昭和天皇」のピンク映画(下)

 2月16日から上映予定だったピンク映画「ハレンチ君主 いんびな休日」は、その直前になって公開が突如延期となった(※後に公開中止)。同作のあらすじは、監督でもある荒木太郎氏(57)扮する〈王〉が失踪、AV女優演じるカストリ雑誌記者の〈タカ〉に連れられ、カメラマンである夫〈菊地〉と暮らす自宅へ……というもの。〈王〉の風貌や映画の資料にある〈敗戦を機に霊長類宣言〉との記述から、昭和天皇をモデルにしていることは明らかで、不敬描写がこれでもかと連ねられているのだ。

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 試写会に出席したという関係者によると、

「この映画は男女が逆転した『ローマの休日』でもある。カストリ雑誌の女性記者が、〈王〉にセックスシーンを見せたり体験させたりする。で、それがスクープだということで、女性記者の夫が密かに〈王〉の写真を撮りまくる」

 例えば、娼館で〈皇后〉に似た娼婦と会う場面は次のように描かれている。

〈王、積極的に覆いかぶさる。/娼婦皇后「どうなさいました」/王「思い出した。これこそ象徴としての仕事だ。実に有難い」/娼婦皇后「王は、技術はありませんが、国の仕事の誇りでイキそうでございます」/王「あ、そう」/盛り上がっていく。/王「名もなき赤子達よ、朕は行くぞ。涅槃で待つ」/娼婦皇后「このプレイ、やっぱ盛り上がるわ」〉

「ローマの休日」の有名な「真実の口」のシーンは、ピンク映画の“フィルター”を通すとこうなる。

〈タカ「あたしの真実のあそこの口を見て下さい」/王「おお!手を入れても宜しいか」/タカ「イソギンチャクなんで、抜けなくなっても知りませんよ」/王「構うものか」/入れる。悶え狂うタカ。/王「確かに抜けない〜」/タカ「great emperor finger」/タカ、盛り上がる。/タカ「ああああああああ、(スッポン)」/笑いあう2人。夢中にシャッターを切る菊地〉(脚本より)

 映画の終盤、撮り続けてきた〈王〉のスキャンダラスな写真を売って金を稼ぐかどうかについて、相談するタカと菊地。その後、〈巡幸〉を終えての〈王〉の記者会見に2人は遅れて姿を見せる。

〈タカと菊地は、王を撮った写真をすべて渡す。/王「これは?」/タカ「珍しい蝶々の写真です」/王「・・・あ、そう」/王、写真を見る。タカと絡んでいる王。/タカ「実に楽しそうに遊んでいます」/王「これは朕の宝物にします」/王、にっこり微笑んだ〉

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