駆出しの「タモリ」とイベント共演、会場から逃走 「せんだみつお」が語る昭和のスター列伝

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一流と三流

――ところで、せんださんは当時、タモリさんのことを何と呼んでいたんですか?

せんだ:番組の中では「タモリよお〜!」とか言ってたけど、楽屋では「タモリさん」て呼んでた。僕、そういうところ、デリケートに気配りする人なの、せんだエラい! タモリさんは2つ年上だし、やっぱどっか知的な雰囲気があったから、絶対に敬称略では呼ばなかったね。あ、デスのことはデスって呼んでたけど(笑)。

 芸のタイプとしては水と油だったけど、勉強熱心で博識なところはこの頃から尊敬してたよ。でもね、正直言うと、当時はタモリさんがここまでビッグなタレントになるとは思ってなかったんだな。ましてや、僕がここまでたいへんな思いをするとも思ってなかったよ! だって「うわさのチャンネル!!」の収録の後、タモリさんが「この後、六本木の絨毯バーで営業があるんですけど」って言うんで、車で送ってあげたこともあるぐらいだったんだよ。生意気にも当時乗ってたアメ車でね。それが今、あちらは運転手付きのベンツのリムジンでしょ……怒るよほんとに!

――お二人が、とあるイベントで、どっちが一流だ三流だとコントみたいなことをしたのもその頃ですか?

せんだ:福岡で子供病院をつくるためのチャリティー・イベントがあって、それを生放送するってことで呼ばれたときのことね。メインの司会は関口宏さん、僕とタモリさんはそのにぎやかし。当時、「うわさのチャンネル!!」で人気のあったおもしろい2人ってことで声がかかったわけだから、たぶんその頃だよね。

――この時点では、両者、イベント司会のサブということで、対等の立場だったんですね。

せんだ:そうそう。で、このイベントの舞台で僕とタモリさん、「お前、三流芸能人だろ。早く俺みたいに一流芸能人にならなきゃ」「どっちが三流だよ」とかなんとか言い合ったんだけど、そしたらさ、ある団体から猛烈な抗議の電話がきたのよ。「一流、三流っていうのは差別表現だ。2人は今、生放送中にその場で謝れ。じゃないと街宣車を向ける」って! もうね、CMに入ったとたん、2人で「どうすんだよ!?」「どうするったって……」「みっちゃん、謝る?」「え〜謝んないよ〜」って。結局、2人で即、福岡から逃げたんだ。だからその後、現場がどうなったかは、知らない(笑)。

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