史上最悪!時速235キロのスピード違反で捕まった男は、どんな車に乗っていたか?

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 フェラーリでもポルシェでもない、アメ車によって達成された史上最悪のスピード違反。時速100キロ制限の中央自動車道を235キロで突っ走り、実に135キロもの速度超過――。

 3月1日、スピード違反で逮捕されたのは、会社員の白井良宗容疑者(41)。

 ことの発端は、2016年1月29日午前4時15分頃、東京都国立市の中央道上り線を時速235キロで走る普通乗用車を、オービス(自動速度違反取締装置)が捉えた。制限時速100キロの中央道を235キロで走っていたのだ。史上最高速での逮捕だという。しかも、この車輌は、過去に5件のスピード違反を繰り返していたとも。オービスに撮られたその写真には、車両からフロントのナンバーは取り外され、白井容疑者はオービスに向かって中指を突き立てていたというから、呆れる。

 運転していた車は、クライスラー社のダッジ・チャレンジャー。クライスラーといえば米国ビッグスリーに数えられる自動車メーカーの1つだったが、現在はイタリアのフィアット・クライスラー・オートモービルズ(本社は英国)の傘下だ。とはいえ、ダッジ・チャレンジャーはアメ車を代表する車と、アメ車販売会社は言うのである。

「あくまで報道された写真で見る限りですが、おそらく14年まで発売されていたチャレンジャーSRT8だと思います。当時のチャレンジャーの最高モデルで、排気量6.4リッターのV型8気筒エンジン。大排気量ですから、470馬力あり、トルクも太く、スピードも300キロくらいは出ます。ハリウッドのアクション映画にもよく使われていますからね。『ドロドロドロ……』というアメ車らしいエンジン音で力強い、いわゆる“マッスルカー”の代表格です。当時の新車価格で700万円ぐらいでしょうか。それにしても、車体がグリーンというのは珍しいし、フロントリップが紫というのも……。こんなに目立っては、捕まってもしょうがないんじゃないですか」

「警察にケンカを売っているとしか…」

 自動車専門誌の編集部員は意外性に驚く。

「意外でしたね。フェラーリやポルシェならともかく、アメ車というのは。しかも正規輸入されていないダッジ・チャレンジャーを入手するには、並行輸入しかありません。暴力的ともいえるスピードがウリの車ですから、新車であってもさらにパワーアップの手が加えられていることがありますし、中古ならなおさら。この車、どのくらいの性能だったんでしょうか? 現行のチャレンジャーには707馬力を誇るものもありますが、全開で発進すると、バイクのようにウイリーするほどのパワーがあります。そうなったら、ハンドル操作は効きませんから、非常に危険です。それを会社員が運転していたというのに、闇を感じますね。逮捕された写真も、なぜか笑っていましたし。もっとも、時速235キロって、すごいスピードに思われるかもしれませんが、国産車であってもそれなりの車なら、リミッターをカットしてしまえば出てしまいます。それを普通の車好きは、峠を攻めたり、高速の飛ばせるところで飛ばす、ということはありますけど、あえてオービスのあるところで235キロも出すというのが異常です。いまどき、カーナビにもオービスの位置情報は入っていますからね、警察にケンカを売っているとしか思えません」

 交通ジャーナリストの今井亮一氏も呆れて言う。

「出しも出したり……。オービスによる取締は、ナンバーを元に車の所有者を割り出し、その住所へ呼び出しの通知を送るわけです。警察にはオービスから、どんどん違反車の写真が送られて来るわけですから、違反者の割り出しから始めなくてはならないようなこうした案件は、後回しになることがあります。その間に、“ナンバーを外していれば捕まらない”とでも思ったんでしょうね。しかし、中指まで突き立てられたら、警察だってナメられたまま黙っちゃいません。犯行から2年以上かかっているわけですが、逮捕して、実名を晒し、予備軍を震え上がらせようとするのは当然でしょう」

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