“終身皇帝化”を予想していた習近平批判マンガの凄い中身

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 中国共産党中央委員会は25日、国家主席の任期を連続2期10年までとする条文を憲法から削除する改憲案を全国人民代表大会(=全人代)に提出したと、中国国営新華社通信が明らかにした。3月5日に開幕する全人代で可決される見通しだ。これが実現すれば、習近平国家主席は、2期目の任期を終える2023年以降も主席の座にとどまることが可能になり、3期目続投はもちろん、毛沢東のような“終身皇帝化”も視野に入る。

 実は、習近平が“終身皇帝化”することを、早い段階から予測していたマンガ作品がある。『マンガで読む 嘘つき中国共産党』だ。著者の辣椒(本名:王立銘)さんは、中華人民共和国出身の44歳。デザインの仕事をする傍ら、ネットで政治風刺漫画を発表していたところ、中国の公安当局に狙われて、日本への“亡命”(※)を余儀なくされた。(※法律上は亡命者ではなく長期滞在者。)

 同書で辣椒さんは、習近平主席の「容姿」と「家族」に触れ、その人気を解説している。

 だが、辣椒さん自身は、習近平主席の言動の端々に毛沢東の影を感じてしまい、最初から好きではなかったと明かす。

「習近平政権下で行われている凄まじい人権抑圧と愚民化政策を告発したい一心でマンガを描きました。中国では、習近平の独裁化と神格化が進み、批判は一切許されません。マンガでも描きましたが、まるで北朝鮮の金正恩政権のようです。」(辣椒さん)

 2012年に主席の座についた習近平氏は、反汚職運動を掲げ、政敵を排除することで、権力を掌握してきた。昨年10月に行われた第19回党大会では、中国共産党の党規約冒頭に「習近平新時代の中国の特色ある社会主義国家」を明記することも決定。さらに3期目続投となれば、“習氏一強”体制が進み、ますます個人崇拝が高まるのは必至だ。

デイリー新潮編集部

2018年2月28日掲載

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