大阪民泊バラバラ殺人 2年前から不安視されていた「民泊ビジネス」の落し穴

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 大阪市西成区の民泊施設で、行方不明の女性(27)のものと見られる頭部が見つかった事件。女性の監禁容疑で逮捕された米国籍のバイラクタル・エフゲニー・バシリエビチ容疑者(26)は、遺棄を認める供述をしたと報じられている。

 訪日観光客の増加に伴い、民泊に利用される物件も増える一方である、だが、その危険性については民泊が本格的にスタートした2年ほど前から指摘されていた。「週刊新潮」2016年4月21日号に掲載された「公安関係者が不安視する『民泊ビジネス』の落し穴」は、以下のように報じている(※内容はすべて掲載当時のもの)

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 4月1日から本格的に「民泊」がスタートした。大手不動産「大京」が参入を発表したが、これまで認可されたのは東京都大田区で6件、大阪府では1件だけだ。出足が鈍いのは、旅館との競合を避けるために設けられた「6泊7日以上の滞在が条件」が原因との指摘も。だが、多くの企業が二の足を踏むのは、それだけが理由ではないという。

「民泊は、厄介な存在になりそうです」

 こう苦笑するのは公安調査庁の関係者だ。

「民泊ではチェックイン以降、事業者と宿泊客が顔を合わせることがありません。それで犯罪者がアジトや逃亡先として利用する恐れがあるのです。しかも、防犯カメラの設置義務もないので、仮に事件が起きたら捜査が難航するのは間違いないでしょう」

 既存のシティホテルでは、防犯カメラが常時稼働している。また、カウンターのバックヤードには指名手配犯の顔写真が張られ、地元警察との“ホットライン”もあるという。つまり、防犯上の厳しい義務はないものの、“知りませんでした”では通用しない。その煩わしさが大企業の参入を躊躇わせているのだ。民泊を担当する大田区保健所の生活衛生課によれば、

「事業者に任せているので、行政が防犯対策を行うことはありません」

 では、大田区と大阪府の両方で認可第1号になった、宿泊予約サイト運営会社「とまれる」に話を聞くと、

「チェックインの際、必ず宿泊者には対面でキーを渡している。6泊7日がワンセットなので、最低その間に1回、それ以外にも掃除を兼ねて社員が現地に足を運んで、宿泊者の本人確認を行っています」

 だが、プライバシー保護の問題で、防犯カメラの設置は容易ではないという。

「実は、“民泊”を謳う企業のほとんどが対面チェックもしない“非合法”なのです。認可を受けた企業でも対策が十分と言えないのに、“非合法”の会社がホテル並みの防犯対策を行っているとは到底思えません」(先の公安関係者)

 あなたの家の隣に、テロリストが潜りこむことがあるかもしれない。

週刊新潮WEB取材班

2018年2月26日掲載