長寿世界一のイタリア「チレント」地域 現地取材で秘密に迫る

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NYでもハンバーガーは口にせず

 数年前、68年連れ添った妻に先立たれたジュゼッペさんのいまの食生活は、7時に甘くないビスケット2個と牛乳の朝食。昼食は12時、夕食は6時に、相変わらず魚や野菜を中心にとり、昼には赤ワインをグラス半分ほど飲むという。

 いまも人生を満喫しているジュゼッペさん、

「アッチャローリは静かで、海風が気持ちいい。以前は家に鍵もかけなかったけど、最近夏は人が押し寄せるので、そうもいきません。でも、住民がみな家族みたいで、暮らしていてストレスが溜まりません。バールで午後1時すぎからカード遊びに参加するのも日課です。去年は地中海食の宣伝にローマとミラノにも行きました。(最速新幹線の)フレッチャ・ロッサでね」

 妹が住むニューヨークに行っても、ハンバーガーは口にもしないとか。そしてイタリア男の例に漏れず、

「女性? もちろん好きです。僕には60代も70代も若い女性だから」

 そう言いつつ、後日バールで再会した際、30代の女性にしつこくスキンシップを迫っていたジュゼッペさん。ご自身が「ストレスはない」と語る秘訣を垣間見た気がするが、実は、

「ジュゼッペは一度、アッチャローリを離れて体調を崩し、戻ってからまた元気になったんです」

 と、ステファノ村長は明かすのである。

 ***

(2)へつづく

週刊新潮 2018年2月8日号掲載

特集「現地取材 米伊の研究チームが争って調査を始めた! 長寿世界一のイタリア『チレント』地域に学ぶ」より

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