美人チャンプ「高野人母美」に移籍トラブル “働き方改革”訴える

スポーツ週刊新潮 2018年2月8日号掲載

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 政府が今国会の目玉として推し進めるのは、働き方改革である。が、女子プロボクシングの世界は、まるで細井和喜蔵(わきぞう)が『女工哀史』で描いたような過酷な労働環境にあるという。美人ボクサーとして知られる高野人母美(ともみ)(30)が上げた悲痛な叫び。「私にボクシングをさせないつもりなの?」。

 モデル出身の高野が、プロボクサーとしてデビューしたのは2013年。2年後には東洋太平洋スーパーバンタム級のタイトルを獲得したが、昨年11月、突如、新天地を求めて渡米。所属先の協栄ジムを辞め、日本ボクシングコミッション(JBC)からも引退してしまった。

「3年間の契約が切れたためですが、元々、協栄ジムに対して不信感があり、“早く辞めたい”と考えていたこともあったからです」

 打ち明けるのは、ロサンゼルスで暮らす高野本人だ。

「ファイトマネーは20万円分のチケットで支払われていました。それを自分で売って現金にするのですが、売上の33%はジムに納める決まりで、13万円ほどしか手元に残りませんでした」

 ただし、そのこと自体、業界では一般的なため、問題とは思わなかったという。

「不信感が募ったのはスポンサー料のことでした。私が取ってきた契約は半分をジムに徴収されるのに、逆にジムが取ってきたものは、“古い付き合いだから料金は貰っていない”などと言って、1円も渡してくれないのです。支払いが遅れることも度々でした」

 彼女が一番驚いたのは、

「試合相手の渡航費を私が負担したことです。タイの選手を呼ぶのに47万円が必要だと言われました。選手がお金を払って試合をするなんておかしい。他のジムの選手に聞くと、あり得ないと言われました」

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