「世田谷一家殺害事件」検索ワードの“ラグラン”“マルフル”って何?

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検索エンジンの最適化が狙い

「詳しくはWEBで!」「続きはWEBで!」など、検索キーワードから商品の公式ページへと導く広告は当たり前。だが、成城署特別捜査本部が提示したキーワードは異質だった。

「ラグラン」とは、犯人が遺した袖が紫色のトレーナーの袖の形状のこと。袖の付け根が襟ぐりから脇の下にかけて斜めに縫製されている、いわゆる「ラグラン袖」だったため。

「マルフル」とは、そのトレーナーや帽子、手袋を扱っていたのが、荻窪タウンセブン内の「ファッションセンター マルフル荻窪店」(現在は閉店)であったためだ。

 2つともパッと思いつくキーワードではない。なぜこんな単語を選んだのだろうか。ソーシャルメディアコンサルタントでWEBメディア評論家の落合正和氏に聞いた。

「えっ、今なんておっしゃいました? ラグラン? マルフル?……ですか。恐らく、キーワード検索により、警視庁の当該ページを上位に上げることを期待したのではないでしょうか。民間の会社も自社商品や店名を1ページ目の上位に上げるために工夫していますが、そうしたテクニックをSEO(検索エンジンの最適化)といいます。例えば“世田谷事件”といったキーワードで検索すると、Wikipediaや書籍、ニュースサイトなどが上位に来てしまい、新情報の提供を求める警視庁のページにはなかなかたどり着けないかもしれません。そうしたケースを避けるために、企業もあえて他社と競合しないニッチなキーワードにすることがあるんです。でも、これって非常に難しくて、企業も苦労していることなんです。警視庁の方も考え抜かれたとは思うのですが、この“ラグラン”“マルフル”はニッチすぎますね。ましてや17年も前の話ですからね、事件に相当の興味を持っている方ならともかく、普通の人には事件と結びつきにくいキーワードだと思います」

 現在のところ「世田谷事件 警視庁」のキーワードで検索しても、同じページが一番上位に来るようである。

 事件に関し、何か心当たりのある方は、是非とも連絡して頂きたい。

週刊新潮WEB取材班

2017年12月20日掲載

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