「池上無双」もびっくり? テレ東「WBS」が「創価学会の異変」を独占取材のワケ

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この教団はどうなっている?

 注目すべきは、翌19日に行われた教団執行部に対する反対集会も取材。平和の党を標榜しながら、安全保障関連法に賛成した公明党、並びにそれを支持する創価学会の執行部に反旗を掲げた信者たちの声を紹介したことだった。

 参加した一般信者が“財務(学会への資金提供)は出さない、公明党に票は入れないことを提唱している”とまで言う様子が報じられたことには、乙骨氏も驚いたという。

「あの言葉は大きかったですね。実際、総選挙では、選挙区での無効票は通常2%程度といいますが、公明党候補のいる選挙区の無効票は7%と報じたところもありました。信者たちは教団の目がありますから、投票所には行かざるを得ないので、無効票にしているともいいます。それに、『池田先生がお姿をお隠しになったのは2010年5月の本部幹部会が最後でした』というのも、部外者から見ると、この教団はどうなっているんだと思われかねません。“池田教”ともいわれる教団のトップが7年も姿を見せないというのですから。もちろんテレ東といえども、池田氏の近況には触れられないのでしょうけど」

 そしてテレ東の記者は国会に乗り込み、公明党の山口那津男代表に問いただすのだ。

「創価学会の会員の一部にデモや反対集会を開いている人がいる。支持団体の一部からこのような動きが出ていることをどう思うか?」

 前出の乙骨氏が苦笑する。

「“把握出来ていないので、コメントは控えたい”って言うしかありませんよね。選挙後の山口代表は憲法改正なに関する発言が非常に慎重になっています。下手なことを言ったら造反が広がりかねませんから、とぼけるしかない」

 それにしても思い切った企画だが、ジャーナリストの山田直樹氏はこう見る。

「他の在京キー局なら、あそこまでは放送できないでしょうね。テレ東は、池上さんの番組で学会とのパイプも出来たのでしょうが、他局と違って、機関紙の聖教新聞などのCMがほとんど入っていませんし、大株主の日経新聞も聖教新聞などの印刷を請け負う“賃刷り”がないので、創価学会の影響力が及ばない。学会とすれば、テレ東の深夜のニュース番組ですから、影響力も少ないとタカをくくっていたのかもしれません」

 テレ東なればこそ、創価学会の懐に入り込めたと言えるわけだ。

 果たして、「報ステ」や「NEWS23」が“創価学会の異変”を報じる日は来るのだろうか。

週刊新潮WEB取材班

2017年12月2日掲載

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