女性プロデューサーがタブーに斬り込んだ「石つぶて」ドラマ化の波紋

エンタメ週刊新潮 2017年11月16日号掲載

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君たち、大丈夫かよ

 山口の再就職先に、二人の女性が通い始めたのは初夏のころである。一人が「WOWOW」の岡野真紀子、もう一人は「共同テレビジョン」の永井麗子と名乗った。差し出された名刺には、いずれもドラマ制作にあたる「プロデューサー」という肩書が添えられていた。共同テレビジョンはフジテレビ系のテレビ番組や映画の制作会社である。

 山口は知人から「捜査二課の基本的なことをいろいろ教えてやってほしい」と頼まれていた。ところが、通ってきた人物が二人とも30代の一見華奢な女性で、しかも、愛らしい顔つきで「捜査二課のドラマを作って、聖域に挑む刑事を描きたい」と言い出したことにびっくりした。

 ――オイオイ、君たち、大丈夫かよ。

 口には出さなかったが、官邸の官房機密費について言えば、大阪の市民団体「政治資金オンブズマン」との間で使途などに関する文書開示を求める訴訟が3件も続いており、いまだに聖域中の聖域なのである。機密費詐取事件も外務省の古傷であり、ほじくり返せば、外務省事件で訴追や批判を免れた官僚らの不祥事が浮上しかねない。クレームを付けられたとき、腹を据えて対応できるのか――。

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