おバカ映画のような不祥事次々… 英潜水艦「セックス&ドラッグ」事件

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 英原子力潜水艦「ヴィジラント」で、前代未聞の不祥事が次々に発覚した。

「まず10月上旬に報道されたのが、41歳のアームストロング艦長が25歳のエドワーズ中尉と艦内で性交したのがばれて解任という件。続いて同中旬に36歳のシール副長も27歳の別の女性中尉と……と報じられました」(在英記者)

 英海軍では1990年から女性の艦船乗組を認め、勤務過酷な潜水艦でも2014年から乗組が始まった。

 同艦の乗組員は168名で女性はその内の7名。狭い艦内ながら艦長と副長だけには個室があるが、周囲が気づかぬはずもない。

「英海軍史上最大のスキャンダルと大騒ぎです。何しろ同艦は戦略核ミサイル16基を搭載したヴァンガード級原潜。英保有の同級4隻は、交代で少なくとも常に1隻が海底に潜んで核報復を準備する。これが英核戦略の基軸なのです」(同)

 性交事件は今秋、その最重要艦が、米製の核搭載用弾道ミサイル積み込みのため、米海軍キングズベイ基地へ向かう航海中に起きた。

 艦内ではバカ騒ぎも行われ、エドワーズ中尉が艦長の礼装を着て、命令を出す真似事まで……。まるで英コメディ映画さながら。

「さすがに同艦の士官5人が、米到着後に辞職覚悟で上層部へ強く処分を訴えた。即座に最高クラスの幹部が渡米。当の4人を艦から降ろしたところでマスコミに漏れたのです」(同)

 4人は軍法会議を待つが、今度は艦とともに米に残る乗組員がまたバカ騒ぎ。士官が薬物検査をすると、水兵9人にコカインの陽性反応が出て除隊処分に。

「英海軍は、今でも仏海軍などに比べても錬度が高い。今回の件はレアケースでしょう。ただ、艦の全ては艦長次第。上が緩めば下も緩むということですね」

 と軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏。

 コカインの件が10月下旬に報じられると、ファロン国防大臣は綱紀粛正を明言したが、その直後に大臣自身がセクハラ疑惑で辞職。

 なるほど“魚は頭から腐る”のたとえ通りだ。

週刊新潮 2017年11月16日号掲載

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