イヴァンカ来日で接待は「超高級料亭」と「新型和風旅館ダイニング」の対照

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橋本、森両首相が愛した「つる中」

 まず「星のや東京 ダイニング」の新聞、雑誌記事の検索結果はゼロだ。そこで「星のや東京」にすると、241件のヒットがあった(11月4日現在)。だが、その大半は経済ニュースとしての文脈になる。

「【きょうの人】星野佳路さん(53)東京・大手町に「高級温泉旅館」開業目指す 」(2013.06.14・産経新聞)

「星野リゾート:東京・大手町に温泉旅館 和にこだわり露天風呂も」(2016.07.21・毎日新聞)

 一方の「つる中」は246件(同前)と出るが、赤坂の料亭とは無関係の記事も含まれている。検索結果の3件目に出るのは「誠備事件最終弁論がムシ返した――加藤暠(あきら)逮捕「つる中謀議」の伝説(渦中の人たち)」という渋い経済事件を伝える記事だ。出典は週刊文春、1984年11月15号になる。

 96年に橋本龍太郎氏が首相の座に就くと、「つる中」は首相動静に登場する。典型的な例は、96年3月26日の《(午後)6時2分、東京・赤坂の日本料理屋「つる中」。瀬島龍三氏ら「龍の会」メンバー》だ(1996.03.27・産経新聞)。

 瀬島龍三氏は、大本営参謀から伊藤忠商事に転身し、“日本のフィクサー”の異名もあった。橋本首相は「つる中」で瀬島氏が結成したという「龍の会」メンバーと会食を重ねている。

 2000年に首相となった森喜朗氏の動静欄にも「つる中」が登場する。代表的なのは00年12月11日《(午後)6時39分、東京・赤坂の日本料理店「つる中」。政治評論家の細川隆一郎氏と会食》という具合だ(2000.12.12・朝日新聞)。

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