銀行が悲鳴を上げる「北朝鮮」「IS」マネー洗い出し

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 寿司ネタとしても人気の高い雲丹、鮑、毛蟹。金融機関が、こうした海産物を海外から買い付ける企業の動向に細心の注意を払っている。そこへお上から“さらに厳しく監視せよ”とのお達しがあり、現場では悲鳴が上がり始めている。

 監視強化を指示したのは、国家公安委員会と警察庁、そして金融庁だ。大手地方銀行の行員によれば、

「監視強化の狙いは、日本の金融機関経由で行われるテロ支援国家への送金やマネーロンダリングの防止です。金融庁を始めとした当局が目を光らせているのは、経済制裁を課している北朝鮮とイラン。この2カ国へ送金することはできませんが、実際には北朝鮮産の松茸が中国産と偽装されて日本国内に持ち込まれて、その代金が中国の銀行経由で彼の国に流れています」

 確か、北朝鮮産のアサリが中国産と偽って日本国内に輸入されていると報じられたこともあったが、

「実は、松茸やアサリだけでなく、北朝鮮産の雲丹や鮑など16品目も中国産と“偽装”されて大量に国内へ持ち込まれているのです。これらの海産物等を中国等から輸入する企業には、送金する前に原産地証明書や船荷証券の確認を求めるケースも少なくありません」(同)

 今年7月に金融庁の森信親長官(60)が3期目に突入したことで、人事異動が落ち着いた9月以降はさらに注文が厳しくなった。

「当局からは、今後は送金先の銀行口座の変更も注意しろと指導されています。例えば、中国企業への支払い代金送金先では、北京市内にある銀行の支店から北朝鮮の近隣の三省にある支店への変更。また、韓国の場合は、ソウル市内の銀行から38度線付近の支店に振込先が変更された時は、要注意といわれていますが……」(第二地銀の役員)

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