「詩織さん」準強姦を不問に付した検察審査会 「不起訴相当」までの奇怪な経緯

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“安倍総理お友達”山口敬之元TBSワシントン支局長(51)に準強姦された――詩織さん(28)が検察審査会に行った申し立てに「不起訴相当」の結論が下された。だが、その過程には奇怪なやりとりがあった。

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 検察審査会は、20歳以上で選挙権を有する国民の中からくじで選ばれた11人の「検察審査員」が審査する。判断は起訴相当、不起訴不当、不起訴相当の3つで、今回の詩織さんのケースでは、6人以上が“不起訴は妥当”と判断したことになる。

 詩織さんの代理人弁護士が言う。

「7月18日頃、第六審査会の伊藤事務局長から、追加の証拠の提出時期を確認されました。詩織さんの陳述書がまだでしたので、“その週のうちに”と回答したのですが」

 これがままならなくなったのは7月21日夕方のこと。

「事務局長から“証拠を追加のうえでの議決を希望されますよね?”と聞かれ、当方が“当然希望します”と述べたところ、“こちらにも都合がありまして”と言われたのです」

 証拠が揃ってもいないのに判決を下していいですかと裁判官が聞くような行状である。また審査に関しては、審査員が希望すれば付くはずの補助役の弁護士はいなかった。郷原信郎弁護士の解説によれば、

「審査会事務局が提案しない限り、検察官とは異なった立場の法律の専門家の意見を聞くということにはならないのだろうと思います。補助弁護人が選任されていないということは、“法的に起訴すべきだった”という方向において、専門家の意見は反映されていないことを意味しています」

 詩織さんも、審査にこんな感想を述べる。

「今回、検審からは発言の機会を与えられることは叶いませんでした。審査員の方などが望めば出席することも不可能ではないと聞きましたが……。陳述書では言いたいことをしっかりと述べました。けれど、書面だけでは分からないこともありますし。もし当事者に聞く必要がないということなら、その理由を知りたいとは思います」

 今後については、

「現在、民事裁判の準備を進めているのは事実です。セキュリティカメラ動画については(※事件現場となった)ホテル側からお渡し頂けていませんが、民事の手続きをすることで、それを提出すると約束して頂きました。そういった新しい証拠が手に入るので、刑事ではできなかった真実の解明が少し進むかもしれないと考えています」

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 9月28日発売の「週刊新潮」では、詩織さんのインタビュー全文と共に、「検察審査会」の判断を問う特集を掲載している。

週刊新潮 2017年10月5日号掲載

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