W杯新鋭・井手口陽介 荒れたユース時代を母が明かす

スポーツ週刊新潮 2017年9月21日菊咲月増大号掲載

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 世代交代を強烈に印象づけたのは間違いない。ロシアW杯出場をかけた大一番、オーストラリア戦で攻守にわたって圧巻のパフォーマンスを見せつけたのは、チーム最年少のMF井手口陽介(21)だった。高校時代、ヤンチャで鳴らし、素行の悪さからユース日本代表から外されたこともあったが、ハリルジャパンの若き救世主に成長した。

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 井手口のプレーの特徴は、何なのか。

 元日本代表GKで、サッカー解説者の田口光久氏によれば、

「まず、相手の攻撃の芽を摘む戦術眼に優れていることです。どこにパスが出てくるかを素早く察知し、そこを狙ってボールを奪うことができている。また、171センチ、69キロと小柄な体型ですが、激しい競り合いでも倒れず、ボディバランスも抜群。加えて、守備が重視されるボランチというポジションですが、オーストラリア戦で見せたような鋭いミドルシュートを放つこともでき、ストライカーのような役割も果たせます」

 いずれ、日本代表を背負って立つ存在になるという。

 そんな井手口が、本格的にサッカーを始めたのは小学3年生から。

 当時所属していた中央FC(現・ストリートFC)=福岡市=の小松陽一監督が振り返る。

「真っ黒に日に焼けていて、坊主頭。小柄でガッチリした体格だったから、まるでマイク・タイソンみたいでした。でも、ボールを蹴り始めたら、ボール扱いのテンポが良いし、ドリブルも巧い。幼いときから、2人の兄がプレーする姿を見て育ってきたから、サッカーというものを理解していたのでしょうね」

 長男の正昭(29)は現在、FC大阪に所属するプロサッカー選手。次男も小学6年生のときに、全国大会への出場経験があるという。

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