史上初“5人プレーオフ”で見せた「米山剛」劇的イーグル

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 アマチュアゴルファーは4人1組で回るのが一般的だが、プロは3人1組または2人1組で回る。

 だが、8月20日に静岡県・裾野CCで行われたシニアツアー「ファンケル クラシック」最終日で“5人1組”という珍事が起きた。

「首位に5人が並び、ツアー史上初の“5人プレーオフ”となったのです」

 とツアー記者が語る。

 米山剛(52)、S・コンラン(51)、清水洋一(54)、金鍾徳(56)、真板潔(57)の5人だが、先に結論を言うと勝ったのは米山である。

「一時は首位に7人がひしめく大混戦。米山は、17番ボギーで脱落しかけたものの、18番バーディでプレーオフに滑り込んだ」

 戦場は18番566ヤード パー5。第1打は左曲りの林越えで、いい位置につけると2オンが可能だ。

 1回目に真板がOBを放って脱落。2回目は全員がバーディとしたが、実は米山は第3打をピン上7メートルもオーバー。だが何とかこれを1発で沈めて生き残った。

 そして運命の3回目。ティショットを好位置につけた米山は残り234ヤードの第2打で4Uを選択。試合後「自分でも驚きました」と述懐するスーパーショットはなんとピンそば30センチ! イーグル確定である。

 誰もが米山の勝ちと思ったが、もう一山。続くコンランもスーパーショットを放ったのである。残り約100ヤードからの捨て身の第3打はピン奥1メートルに落ち、バックスピンでカップへ一直線。一瞬、米山のそれを上回る大歓声が起きたが、ボールはカップの縁を舐めたものの沈むことはなかった。

 結局、米山がイーグル締めでシニアツアー初V。賞金1500万円を獲得した。

「1999年以来の優勝で、スピーチも上手くできなかった。勘弁してほしい」

 と米山。スピーチ上手になるには、勝利あるのみ!

週刊新潮 2017年8月31日秋風月増大号掲載

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