安全で旨味が濃い…… 隠れた名キノコ・タマゴタケを「捕まえて、食べる」!

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夏休みの課題は「捕まえて、食べる」!(4)

捕まえて、食べる』(新潮社刊)の著者・玉置標本氏が夏休みに伝授する野生生物の捕まえ方と料理法。掉尾を飾るのは、我々には聞きなれないタマゴタケ。採取・調理法は本文に譲るとして、ここで声を大にしてお伝えしたいのは美味しさと、毒キノコに間違えにくいという安全性だ。

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 最後に紹介するのは、夏の食用キノコの代表格であるタマゴタケだ。キノコ狩りというと秋のイメージがあると思うが、自然界では季節や環境に応じて様々なキノコが生えているのだ。ご存知の通り、キノコには猛毒を持つものも多く、姿の似た食用キノコと誤食してしまう事故が毎年発生している。野生のキノコに素人が手を出すのは大変危険なのだが、タマゴタケは鮮やかなオレンジ色をしており、しっかりとその姿を脳裏に焼き付けておきさえすれば、まず間違えることのない安全なキノコなのだ。

 有毒のベニテングタケと少し似ているが、こちらは傘が赤く白いイボがあり、柄が白いのが特徴。傘がオレンジでツルッとしており、柄が黄色いタマゴタケとの判別は容易だろう。ただし、少しでも迷うなら、そのときは諦める勇気を持つべきだ。迷ったら諦める、これはキノコ狩りの鉄則である。

 日本のほぼ全土に分布し、広葉樹や針葉樹の生える林に、夏から秋にかけて発生する。木がうっそうと密に生えているような場所よりも、まばらに生えて風通しの良い場所で見かけることが多い。タマゴタケはその名の通り、最初は白くて丸いタマゴそっくりの形をしており、そこから殻を破ってニョキニョキと成長する。その愛くるしい姿から、キノコマニアからの人気も高い。

 その鮮やかな姿は遠くからでも発見しやすく、目が慣れてくると、走っている車の助手席からでも見つけることができるようになる。それくらいわかりやすいキノコなのだ。道路の脇などにもよく生えるので、わざわざ探しに行かなくても手に入れる機会が訪れることもしばしば。タマゴタケという食用キノコの存在を知っていることで、人生がちょっと豊かになる瞬間があるかもしれない。

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