何十年も女性を“見たことがない”2000人の男たち

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電気やガスもない住居で、男2000人が自給自足

 電気やガスも通わぬ住居で、男ばかり2000人が自給自足で生活している修道士たちの日常とは、どういうものなのか? 厳しい戒律に縛られた苦行と禁欲の日々? 興味津々で乗り込んだ中西さんが見たアトスの現実は、予想とはかなり違っていたようだ。

 生活環境が厳しくとも、祈りと修行に追われようとも、修道士たちはそれを“苦行”と受け止めず、神に感謝し、常に自分のことより他人のことを想いながら、喜びに満ちた日々を送っている。カメラを提げて乗り込んだ“闖入者”さえも、あたたかく迎えてくれたのみならず、皆、積極的に取材に協力してくれる修道士たちに、感謝しつつも戸惑いを隠せない中西氏だったが、日々の祈りを共にし荘厳な大祭に参列するうちに、ギリシャ正教の本質に触れ、どんどん魅了されてゆく。

「ここは現実世界なのか、未来なのか、過去なのか、はたまた地球上ではなく宇宙なのか、楽園なのか……それは衝撃的な体験だった」

 と、中西氏が記す現実離れした宗教独立国の全貌――そこには原始キリスト教の流れが今なお色濃く残っていた。

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