創業270年「上野風月堂」リニューアル ゴーフルお馴染み

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 JR上野駅から中央通りを歩くこと約8分。「ゴーフル」と「東京カステラ」で名を馳せる創業270年の老舗和洋菓子店「上野風月堂」本店の瀟洒な門構えが見えてくる。

「路面店で地下鉄・銀座線の上野広小路駅からも近い地の利もあって、お客の入りは悪くない。最近は外国人観光客の姿も見かけます」(商店会関係者)

 そんな有名人気店が、7月16日、リニューアルのために一時閉店した。

「江戸時代から明治までは上野と言えば、繁華街はこの“広小路”界隈。しかし時移り、JR駅から離れた立地条件は必ずしも良いとは言えない。今回のリニューアルは新時代に対応するための営業努力の表れと見るべきです」

 と、町興しに詳しい経営評論家が言う。

 当の上野風月堂の関係者に訊ねると、

「リニューアルをこの時期に決めたのは創業270年の節目に当たるからです。今後は時代と共に進化し続ける上野の新たなランドマークを目指します。1階の本社売店は、体験型ショップとして新感覚のゴーフルや、焼き上げたばかりのカステラをその場で味わって頂けるスポットに、2階のパーラーは、街の落ち着いた雰囲気と上質な空間創りで、上野を訪れるお客様の目的型レストランに生まれ変わります」

 初代・大住喜右衛門の養女が水野忠光の側室となり、後の老中・忠邦を出産。武家との厚い関係から松平定信にはその味を愛でられ、雅号「風月」まで賜って屋号とした歴史を持つ「上野風月堂」。

「ネットなどを駆使して、インバウンドを取り込めば、一気に客の流れが変わる時代。リアル店舗のリニューアルにSNSを組み合わせれば勝算はあります」(前出・経営評論家)

 さて11月のリニューアルオープンは吉と出ますか、お手並み拝見。

週刊新潮 2017年7月27日号掲載

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