藤井聡太、高校進学に迷い 詰まされそうな母との“盤外戦”

社会週刊新潮 2017年7月13日号掲載

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「あと一歩」で大台には達せず。藤井聡太四段(14)の連勝が29でストップした。もっともこれで肩の力も抜けたこと、更なる“進撃”が予想されるが、ここに来て難解な「盤外戦」の一局が――。高校進学を巡り、「天才少年」とその母が、心中相揺らしているという。

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 ある藤井四段のインタビュー記事が、棋界で話題になっている。

 7月3日発売の「週刊ダイヤモンド」誌に掲載された、囲碁の井山裕太・六冠との対談。六冠の、

〈囲碁界では高校に行かない人が結構いて、だから、(自分は)進学せず囲碁に専念するという選択には全く迷いがなかった〉

 との話を受け、四段は、

〈学校に行くと時間的な制約がかなり増えますので、高校進学については迷う気持ちというのはあります〉

 と返したのだ。

 藤井四段は現在、名古屋大学教育学部附属中学校の3年生。来年4月には自動的に附属高校に進むことが出来る。それを断っての「中卒」宣言?と思えるから、周囲がビックリなのも当然か。公式戦、初の敗戦を喫した翌日だけに、驚きも二重だったのである。

 そのウラについては後に述べるとして、まずは、直近の一戦について振り返ってみよう。

 7月2日、彼を止めたのは、佐々木勇気五段(22)。これまでの対戦相手の中で最高の難敵だ。

「佐々木先生の準備はすさまじかった」

 とは、将棋番組プロデューサーの田中誠氏。

「この2カ月程前から、藤井先生の棋譜を、プロ入り以前からのものを含め、研究していたそうです。対局が決まる前ですから、いつか当たると思って準備していたのでしょう。また、対局2日前には、非公式戦で藤井四段に勝ったことのある永瀬拓矢六段と研究会を開き、そこで“藤井対策”を練っています」

 これで自信を深めたのか、さる将棋観戦記者によれば、

「対戦前には“実力は自分が上”“星が偏っているだけでしょ”と。“まだ大したことない”とまで言っていましたから気合が入っていたのは間違いない」

 これで負けたら恥ずかしいが、きちんと勝利。それも完勝するのだから、どこぞのビッグマウスとは違うのである。

 観戦記者が続ける。

「作戦的にも、相掛かりで飛車が2六の位置に引くという、20年程前に流行った指し口でした。昔流行した手を指されるというのは、これまで非公式戦で藤井四段が負けていたパターンと同じ。四段はやや古い手についてはそれほど研究を深めていないのかもしれません」

 五段にとっては、してやったり。一方の藤井四段は、

「終局後、“お疲れ様”と声をかけたら、うつむいたまま“ありがとうございます”。やっぱり悔しかったんでしょうね」(田中氏)

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