「トランプ大統領」逆襲開始 コミー証言で政権追い込めず

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この男、誰も止められないのか?

 三大ネットワークが同時中継。その証言はまさに全米で注目を浴びた──。

 6月8日、コミー前FBI長官が米上院情報特別委員会に出席。トランプ政権のロシア疑惑や司法妨害について証言した。

「大統領との生々しいやり取りが、つい先日までFBI長官だった人物の口から直接説明された。非常に見ごたえがありましたよ」

 とは、国際ジャーナリストの春名幹男氏だ。

「たとえば、“この件はもう手放せ”というトランプ氏の言葉ですね。補佐官をすでに辞任しているフリン氏への捜査をどうしてそこまで執拗に止めようとしたのか。多くの人が疑念をさらに膨らませたはずです」

 しかし、コミー氏の証言に、政権を追い詰めるような決定打がなかったこともまた確かだ。

 コミー証言に前後する約48時間、大統領もさすがに慎重になったのか、彼のツイッターは謎の沈黙。だが、証言の翌日からは「コミーはリーク屋だ!」と怪気炎が早くも復活。大統領の顧問弁護士が、コミー氏を守秘義務違反で告訴する計画であるとも報じられた。

「ついに反撃が始まったと言えるのではないですか」

 在米ジャーナリストの古森義久氏はそう指摘する。

「トランプ氏をかばうわけではありませんが、米の主要メディアの連日の報道は、はっきり言って政争、政権打倒運動です。そもそもロシア疑惑はいまだにその実態が不明確で、コミー証言では大統領自身が捜査対象でないことが逆にはっきりしてしまいました」

 11日には、愛妻メラニア夫人(47)と愛息バロン君(11)がN・Yのトランプタワーからホワイトハウスへ引っ越してきて同居開始。そして14日は晴れて71歳の誕生日。もう大丈夫、とばかりに意気軒昂なトランプ氏なのだった。

週刊新潮 2017年6月22日号掲載

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