鳥取県知事、また駄ジャレ作戦 「お嬢サバ」養殖

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お嬢サバは繊細よ

 これからの鳥取は、“砂漠”ではなく“サバ食う”だ!

 あの平井伸治鳥取県知事(55)が、“スタバはなくても、砂場はある”以来、久々の怪気炎をあげた。石破茂前地方創生相をして“発想力に敬意”と言わしめた知事、おやじギャグは健在のようだ。さて、お話は地域産品の発掘・流通に取り組むJR西日本が始めた「サバの養殖」である。平井知事、今回はJR西のネーミング発想力に惚れ込んだのか、「お嬢サバ」のブランド商品化に一役買う。

 JR西の関係者が言う。

「正式名称は『鳥取生まれの箱入り娘お嬢サバ』です。県の養殖技術は耳にしていたので技術協力を求めました。6月7日に、鳥取県岩美町で、サバの陸上養殖センターの開業式を行ったところです。来春の出荷を目指しています」

 すでにこの3月、大阪、京都などの料理屋に試験的に供されたそうだ。

「刺身のサバもあり、その味も大好評、お客様から好感を得られました」(同)

 ところで、サバの養殖、技術的には難易度が高い。養殖稚魚を提供する鳥取県栽培漁業センターの研究者が言う。

「サバは、繊細な魚です。手で触っただけで、そこから皮膚が爛れて死んでしまうほど極端にハンドリングに弱い。水槽にぶつかっただけで死ぬケースもある。注意深く扱う他ありません。病気に罹りやすい難点は、きれいな地下海水を使って養殖することで低減させました。それでも出荷できるのは全体の70%。マグロ同様、養殖の難しい魚なのです」

 2006年頃、すでに県の漁協がサバ養殖に注目、そのノウハウもあり、12年から本格的な研究に取り組んだ。

「鳥取県は日本海に面しているため、冬場は海が荒れて水産物資源が激減します。それで早くから様々な魚の養殖を研究してきた経緯があります。陸上養殖でアニサキスなどの寄生虫の心配が少ないサバなら高値で売れると考えたのです」(同)

 来年の出荷目標数は、3万~4万匹。関サバのライバルになれるか。

週刊新潮 2017年6月22日号掲載

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