警察官による「福岡母子殺害事件」 被害者姉から事情を聴けない事情

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■就職難で警察官

 福岡市内で小さな印刷会社を営む家庭に育った中田は、地元の高校を卒業後、博多にある私立大学に進学。

 当時の住民によれば、

「卒業後、就職難で働き口がないと母親がボヤいていたので、ちょうど募集していた警察官を勧めたのです」

 2002年10月に県警に採用後は、交番勤務などを経て、犯行時は110番通報を受ける県警本部の通信指令課に配属されていた。

 現在まで、中田は容疑を否認。子供たちを殺害したのが誰なのかも、未だに判明していない。

「捜査の痛手は、妹が育児で悩んでいたといった姉の話を警察が公表したことで、第一発見者の由紀子さんの姉が、警察に非協力的になってしまった点です。ある新聞社が姉の自宅を訪ねたことで、警察が住所を漏らしたと疑っているフシもある。中田の供述を崩すうえで、第一発見者の話は重要になるのですが……」(別の記者)

 全容解明には時間を要することになりそうだという。

 現在、勤務先だった県警本部に留置中の中田は薄暗い部屋で、人生の闇夜の訪れに怯えているに違いない。

ワイド特集「人生の逢魔が時」より

週刊新潮 2017年6月22日号掲載

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