蘇る「江利チエミ」美声 「ジャズ娘誕生」復元上映

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自身の誕生日のヒトコマ

 20歳の江利チエミの美貌とハスキーボイスが銀幕に蘇る。

 東京国立近代美術館フィルムセンター(東京・京橋)では5月13日から21日まで、日本映画テレビ技術協会の創立70周年を記念して、「よみがえるフィルムと技術」を開催。1940〜70年代の日本映画技術賞受賞作品14本と、フィルムセンター所蔵の復元作品4本を上映する(料金一般520円)。

 なかでも見逃せないのが、歌手の江利チエミ(82年没)が主演を務めた1957年公開「ジャズ娘誕生」だという。映画ライターによれば、

「『ジャズ娘誕生』は、江利さん扮する歌の上手い大島の椿油売りの少女が、東京の大劇場でデビューするまでの“スター誕生”物語。歌って踊るミュージカル仕立てで、石原裕次郎も出演しています」

 当時の映画はモノクロが主流で、カラー作品は“総天然色”と呼ばれる時代だった。

「『ジャズ娘誕生』は当時としては珍しいカラー映画で、他社より色彩が豊かだと評価されていたコニカラーのフィルムを使用しています」

 こう解説するのは、東京国立近代美術館フィルムセンターの大澤浄主任研究員だ。

「デジタル技術が発達したことでフィルムの傷や色の滲みを補修するだけでなく、音声の復元が可能になりました。今回の一番大きなチャレンジでした。音声を復元できたことで、江利さんの歌声をより鮮明に聴けるようになったのです。本編上映前に説明映像を3分間流しますので、そちらを見ていただければ復元前後の違いがわかるでしょう」

「ジャズ娘誕生」の上映は、5月13日と20日の2回。60年前の美声に酔いしれる貴重なチャンス!

週刊新潮 2017年5月18日菖蒲月増大号掲載

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