節税マンション投資が子供たちのトラブルの火種に… 失敗の実例に学ぶ「相続税対策」

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■マンション投資をするなら

 結局、このケースでは、家族内で揉めた末、マンションのフロアごとに区分登記を行い、区分所有マンションにしました。つまり、1階を長男、2階を次男、3階を長女とフロアごとに権利を分割したのです。そうすると、権利者1人の判断で各階の部屋を売ったり、貸したりすることが可能になります。とはいえ、外壁の塗装といった大規模な改修工事については全員の承諾が必要になるので、いわば苦肉の策です。

 親の生前から「遺産分割」について家族で話し合っていれば、マンションを建てるにしても低層にして建築費を抑え、それを長男に譲る。そして、残りの現金を次男と長女に分けるといった対策も講じられたと思います。

 一方で、たとえ土地を所有していても、全ての方にマンション投資を勧められるわけではありません。

 私が勧めるとすれば駅から徒歩5分など、立地の良い場所に土地を持っている方です。たとえば徒歩10分以上ですと、通勤や通学にバスを利用することになりますし、15分以上となるとエリアによっては戸建の賃貸のほうが効果的なケースも出てきます。やはり、建築費用を回収するためには賃貸収入が必要になりますから、エリアに合った建物を考えるべきです。マンションでなくとも、駅から遠ければ老人ホーム、高速道路のインターチェンジに近いのなら倉庫を建てるという選択肢もある。それこそ、クリーニング店や飲食店を入れることを考えてもいい。

 マンション投資も実質的には「経営」なので、自ら商売を立ち上げるくらいの覚悟が必要です。

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