相続トラブルの原因は親にもある 無用なトラブルを避けるには

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 相続トラブルはよく起こる。その原因は遺産を受け取る側にあるのだろうか?

相続なんか気にするな!』の筆者で相続士の山田みち子さんは、さまざまな相続問題で相談に乗ってきた。ふと気づくと、相談に来るのは「相続人」、つまり遺産を受け取る側の人ばかり。

 相談に来る相続人の話を聞いているうちに、「で、親御さんのご意思はどうなんでしょう?」と聞きたくなることがしばしばあるという。聞いてみると言葉を濁したりして、あきらかに被相続人とのコミュニケーションが取れてないことがわかる。

 山田さんがあるセミナーで講師を務めた際のこと。

「受講生のなかに、30代とおぼしき男性がいました。セミナー後、彼に声をかけて『何か心配ごとがあっていらしたのですか?』と聞いてみると……。
 父親が定年を迎え、退職金が入った。都内に一戸建ての持ち家もある。父は元気だが、死後にはかなり相続税がかかるのではないかと心配。しかし資産状況を聞いても、教えてもらえない。
 と言うのです。」

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 山田さんはこの男性の言い分を身勝手だと感じた。元気な親が死んだときのことを考えて、さらに親が働いて築いた財産のうち、自分にいくら入るのかをすでに心配している。親が資産状況を教えたがらないのも当然だと思ったという。

 ただし山田さんはこうも言う。被相続人が自分の財産に対して無関心な人が多いことも確か、自分のお金なんだから、もっと興味を持たなければいけません。被相続人=親が自分の財産についてもっと興味を持ち、定年後もまだまだ続く人生を考えてほしいと主張する。

 介護、老人ホームのことなど高齢期を迎えると避けて通れない話題を向けると、億劫な表情になったり、忌避感を表したりする人たちも多いという。特に男性はそのような傾向が強い。「僕はコロッと死ぬんだ」と勝手なことを言ったりする。

 まず「生き続ける」ことを前提に、この先どう生きてくのか、そのために自分のお金をどう活かすのかを考えることが第一。

 被相続人が意思をはっきりとさせることで、その後の無用なトラブルも避けられるはず。『相続なんか気にするな!』には、被相続人が「物言わぬ被相続人」ではいけないと、警鐘を鳴らし、相続人とのコミュニケーションの具体的な方法について解説している。

デイリー新潮編集部