節税マンション投資が子供たちのトラブルの火種に… 失敗の実例に学ぶ「相続税対策」

食・暮らし週刊新潮 2017年4月20日号掲載

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■失敗の実例に学ぶ「相続税対策」(2)

家族のために節税したはずが……

 重要な3つの柱は、「遺産分割対策」「納税資金対策」「節税対策」――。フジ相続税理士法人代表社員の高原誠氏が、残された子たちに禍根を残す「相続税対策」の失敗を紹介する。

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 それでは、ここからは実際の「失敗例」を挙げながら、相続対策について話を進めます。

 最初は、相続税を節税するためにマンション投資をした男性のケースです。この方は手持ちの現金の大半を使って、JRのターミナル駅から徒歩10分圏内にある自分の土地に賃貸マンションを建築しました。

 もちろん、マンション投資を用いた節税自体が間違っているわけではありません。銀行に1億円を預けていれば課税対象は1億円ですが、そのお金で土地(更地)を購入すると、一般的には2割ほど低い金額に評価額が下がります。そこにマンションを建てて貸し出すと、土地の評価額はさらに2~3割程度下がる。つまり、課税対象は1億円から6400万円まで圧縮されるのです。また、建設費用を借入れている場合、相続税を計算するに当たってマイナスの財産として差し引くことができるため、対象額はさらに低い金額になります。

 ただ、この方は「遺産分割対策」をきちんと検討していませんでした。

 マンション投資は節税には繋がるものの、その反面、流動性が悪いというデメリットがあります。相続人が複数いると、遺産を均等に分けることが難しい。

 仮にマンションの権利を3分の1ずつ共有にすると、部屋を売ったり、大規模な修繕を行う際には、原則として権利者全員の印鑑が必要です。その際に方針がまとまらず、トラブルに発展するケースは少なくありません。家族のために節税したはずが、資産と共に「火種」まで残してしまったわけです。

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