女優と「青年実業家」との結婚は「玉の輿」婚ではない 結婚と離婚の知られざる真実

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青年実業家イコール玉の輿?

婚姻届に判を押すのは、借金の連帯保証人になるより恐ろしい――

 女優や女性タレント、あるいは女子アナと「青年実業家」との結婚が報じられる際に、定番のように使われるフレーズが「玉の輿」である。「玉の輿」自体は悪い言葉ではないのだが、こういう記事においては必ずしもポジティブな響きを持たない。
 不安定な人気商売の彼女もこれで一生安泰だし、仮に離婚したとしてもガッポリと慰謝料やらなんやらを手に入れられる、結局どう転んでもお金と縁が切れないのでしょうね――そんな羨望と揶揄の入り混じったニュアンスが込められているのだ。

 しかし、「青年実業家」との結婚イコール「玉の輿」というのは、安易に過ぎる、と指摘するのは、作家の藤沢数希氏である。藤沢氏は新著『損する結婚 儲かる離婚』の中で、巷間伝えられるのとはまったく異なる「マネーゲームとしての結婚と離婚」を解説している。
 同書の中で、ケーススタディとして取り上げられているのは、「神田うの」夫妻の例だ。
 夫妻に関しては、何かというと夫婦仲の危機が週刊誌ネタになる。たとえば、「週刊文春」は2012年に「家庭崩壊危機」を報じている。
 実際の仲はともかくとして、神田さんご夫妻には申し訳ないが、あくまでも「仮に」お二人が離婚した場合、どうなるか。同書では法律的な見地から解説している。

■問題は結婚後だった

 週刊誌などでは、「大金持ちの夫から、したたかな妻は巨額の慰謝料を取るだろう」という報道がなされていた。
しかし、藤沢さんは、まったく異なる見方を示す。純粋に法律的に見た場合には、離婚した場合は神田さんのほうが金を払うことになるだろう、というのだ。

「離婚で大きな金が動くのは、財産分与と婚姻費用であり、慰謝料などは誤差の範囲内の話なのである。そして、このような富裕層の離婚の場合、巨額になる可能性があるのは財産分与である。
 財産分与の考え方は極めてシンプルで、結婚してからふたりで作った共有財産を、離婚時に清算しようというものだ」

 結婚前の時点でいかに莫大な資産を夫が持っていたとしても、実は財産分与とは関係がない。離婚時の財産分与に関係するのは、結婚「後」に増やした個人資産である。
 神田うのさんの場合、タレントとして現役で活躍しつづけ、事業も成功しているであろうから、結婚後も資産を増やしている可能性は高い。
 一方で、夫の財産が少しでも減っていれば、どれだけの財産があろうとも、分与すべき財産は1円もない、ということになる。
「玉の輿」と騒がれるのは、「男が女を養うべし」とか「男の収入が一家の主収入だ」という旧い考え方が背景にあるのかもしれない。しかし、当然ながら、法律上、男女を区別することはない。

■無収入は強し!

 これは別に「実業家」や「女優」に限った話ではない。
 仮にきちんとした給与収入がある女性が、「夢を追っていてほぼ無収入」の男性と結婚して、数年後に離婚したとしよう。この場合、結婚後の女性の収入は財産分与の対象となる。したがって、金を支払うのは、必死で夢を支えた女性の側になるのだ。
「そんなバカな話があるもんですか!」と何らかの事情で、差し迫っていてさらに詳しい説明をお求めの方には、『損する結婚 儲かる離婚』を開いてみることをおすすめしたい。

 なお、繰り返すが、あくまでも、神田さんのケースに関しては「仮」のお話。著者の藤沢さんは、同書の中で、著名人夫婦の離婚問題は、法律を理解するための「ケーススタディの良い材料」なので、分析の対象としただけで、その点はどうかお許しいただきたい、と同書の中で述べている。

デイリー新潮編集部

2017年2月28日掲載

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