「フラクトオリゴ糖」 “善玉菌パワーアップ”の裏付けは“被験者わずか7人”

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■「だからどうした?」

 この実験では、フラクトオリゴ糖8グラムを含むコーヒー飲料を被験者に2週間、摂取させ、糞便の状態を観察しているが、

「確かに、摂取開始前日に135グラムだった糞便量は2週間後に173グラムまで増えています。ただ、問題は摂取開始7日前の糞便量が79グラムだったこと。つまり、フラクトオリゴ糖を摂取する前の1週間のほうが変化は大きいのです」(同)

 被験者数が少ないため、仮に誰か1人が便秘気味だっただけでデータに大きな差が生じてしまうのだ。

「また、この実験では関与成分を含まない食品を摂取させた、比較対照群を設けていません。そのため、実験結果が試験物質の効用なのか、被験者の“きっと体調に変化があるはずだ”という思い込みによるものなのか判別できない。さらに言えば、現在の科学では無数に存在する腸内細菌のうち、どの菌がどう作用するのかまでは特定できていません。もしビフィズス菌だけが増えても、“だからどうした?”としか言えない」(同)

 欧州食品安全機関の結論は明快だ。曰く、〈フラクトオリゴ糖の摂取と腸機能の変化との間に因果関係は認められなかった〉。

 せっかく増えた善玉菌の効果も「玉」虫色なのだ。

特集「6400億円市場の虚飾! 『脂肪吸収抑制』喧伝で消費者を裏切り続けた罪!大反響! トクホの大嘘 告発第2弾」より

週刊新潮 2017年4月6日号掲載

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