「フラクトオリゴ糖」 “善玉菌パワーアップ”の裏付けは“被験者わずか7人”
「フラクトオリゴ糖」
日頃、テレビの健康番組に興味がない向きも、「善玉菌」や「悪玉菌」という言葉には聞き覚えがあろう。
このところ注目を集める「腸内フローラの改善」も、要は、この善玉・悪玉に代表される腸内細菌のバランスを整えて健康増進に繋げることを意味する。
さて、そこで登場するのが、「フラクトオリゴ糖」である。日本オリゴの公式HPによると、これを摂ればビフィズス菌などの善玉菌が〈Power Up!〉。〈お腹の悪玉菌と有害物をお掃除〉してくれるという。HPに掲載された円グラフの推移を見れば効果は一目瞭然、なのだが……。
見落としてはならないのがグラフに添えられた説明書きだ。記されているのは〈健康な成人7名の平均のデータ〉という小さな文字。
メーカー側は自社で行った実験の結果を「特定保健用食品申請書類」にまとめて有効性の根拠とするものの、その被験者は、センバツ高校野球の話題をさらった不来方(こずかた)高校の部員数(10人)よりも少ないのだ。
「ヒトが対象の実験としては規模が小さすぎます。被験者が7人だけでは個人差の影響が大きく、正確な統計は得られません」
食の安全・安心財団理事長で、東大名誉教授の唐木英明氏はそう喝破する。
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