【トクホの大嘘】「ヘルシーコレステ」 ドイツでは警告商品! 健常者に心臓病リスクあり

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■思わぬ副作用

 5年前、ドイツの政府機関「ドイツ連邦リスク評価研究所」は、オランダで発表されたある臨床試験の結果を受けて重大な懸念を表明していた。

「被験者に植物ステロールを1日2・5グラム、85週間にわたり摂取させたところ、植物ステロールの血中濃度が高い人ほど、心臓病の初期診断の目安となる目の網膜血管が詰まりやすくなることが分かりました」(同)

 思わぬ副作用が発覚し、14年2月にはドイツをはじめEU全域で、植物ステロールを使った加工食品に、“血中コレステロール値が普通の人や子供は摂取するな”という警告表示が完全に義務付けられたのである。

 片や日本では、トクホを含めてそのような表示義務はないのだ。植田氏が継ぐ。

「例えば、お父さんのコレステロール値が高いからといって、家族全員でそれに効く薬を飲むことはありませんよね。けれど、トクホの油であれば、なんとなく家族皆同じものを使ってしまう。結果として本来は不必要な子供たちが、有害なものを摂っているのです」

 日清オイリオグループは、

「弊社の商品に含まれる植物ステロールは、摂取目安として1日0・45グラムであり、ご指摘の論文と比較しても安全性に問題はないものと考えております」

 と答えるが、この安全性の確認方法自体に限界があると植田氏は言う。

「トクホにおける有効成分の安全性は、含有量の3倍を摂取する臨床試験で副作用がないことを確認しています。けれど、摂取期間は3カ月程度と短く、発症頻度の少ない副作用は見過ごされる可能性が大きい。実際、ドイツが問題視した有害性は、トクホの試験では見逃されていますしね」

 聞こえのいい効果ばかりが喧伝され、そこに潜むリスクが周知されているとは言い難いのだ。

特集「6400億円巨額市場! 脂肪吸収抑制はインチキ! 分解脂肪は再吸収されていた! トクホの大嘘」より

週刊新潮 2017年3月30日号掲載

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