【トクホの大嘘】「オールブラン オリジナル」 被験者が少なすぎるトホホなアンケート

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■タマゴ何個分

 プラセボとは、摂取する食品と外見は同じながら、有効成分の入っていないダミーを用意することを指す。例えば、薬のカプセルを見たら、人は本能的にそれが効くように思い込む。事実、そのような心理的作用が効果をもたらす場合もあるため、実験では同じ条件下で本物とダミーをそれぞれ食べるグループを設けて、比較しなければならないのだ。

「肝心の実験結果が、被験者の主観が入り込みやすいアンケートだけに委ねられている点も甚だ疑問です。自己申告の形でしか結果が得られていないのです」(同)

 論文では、被験者の排便量がタマゴ何個分だったかを目測で回答させたり、便の硬度を〈①とても硬い、②硬い、③普通、④軟らかい、⑤とても軟らかい〉と5段階に分けて申告させたりしているが、

「その人数もたった11人ですから、どんな量を何日間摂取したらどのような効用があるのか、納得できる証明になっていません」(同)

 論文の態をなしていないのに認められたとなれば、トクホの審査が杜撰だったという誹りは免れないだろう。

 唐木氏はこうも指摘する。

「これまでの多くの研究結果から、小麦ふすまの効用も食物繊維がおなかに良いことも分かっています。高いお金を出してトクホを申請するのなら、これまでの研究と同等以上のレベルが必要です」

 トホホな実験が罷り通るようでは、トクホの存在意義が問われかねない。

特集「6400億円巨額市場! 脂肪吸収抑制はインチキ! 分解脂肪は再吸収されていた! トクホの大嘘」より

週刊新潮 2017年3月30日号掲載

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