入籍10日以内で夫が昇天 青森の「死神美熟女」

社会週刊新潮 2017年3月9日号掲載

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入籍のわずか2日後に…

 〈すべての悲劇は死によって終わり、すべての人生劇は結婚をもって終わる〉。英国の詩人・バイロンの言葉に倣うならば、この「事件」は、〈すべての死と悲劇は、結婚によって始まった〉とでも言うべきか。たった1年半の間に2人の夫を亡くした「死神美熟女」。彼女を巡って噴出する疑惑の数々とは――。

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 青森県警担当の記者たちは目下、この「事件」の取材に明け暮れている。

「ここに来て、県警の動きが慌ただしくなっているのは間違いありません。地検と県警の人事異動が3月中に発表されるため、それまでに“勝負”をかけるとも囁かれています」

 地元のベテラン記者も色めき立つ「事件」は、2010年10月31日の深夜、佐藤健二郎さん(当時72)=姓のみ仮名=が八戸市にある自宅の浴槽で死亡したことに端を発する。

 健二郎さんの長女が当時を振り返るには、

「警察から連絡があった時に、第一発見者が誰か尋ねました。すると、“奥さんです”という。さすがに耳を疑いましたよ。というのも、私の母は97年に亡くなり、それ以降、父はずっと独身を通していたからです」

 親族すら知らぬ間に健二郎さんの後妻となっていた人物。それが正美氏(64)=仮名=だった。火力発電所に勤めていた健二郎さんは県外にも不動産を所有する資産家である。そのため、遺族はこの後妻による「遺産狙いの殺人」を疑ったという。そして、県警が司法解剖に着手すると、それを裏付けるような事実が発覚した。先の記者が続ける。

「健二郎さんの遺体からレンドルミンという睡眠薬の成分が検出されたのです。それは正美氏に処方されていた薬だった。健二郎さんが生前に睡眠薬を常用していた形跡はありません」

 健二郎さんの死からまもなく、彼女が勝手に自宅の土地の遺産分割を進めたことも遺族の不信を買った。また、2人の婚姻届の受理日は10月29日。つまり、健二郎さんは入籍のわずか2日後に鬼籍に入ったことになる。

 さらに、彼女には2度の離婚歴があり、健二郎さんと婚姻する1年半前に別の資産家男性と結婚していたことも分かった。実は、この3人目の夫(当時81)も入籍から10日後、「入浴中」に死亡しているのだ。

 2人の裕福な老人が、同じ女性との入籍から10日以内に「怪死」を遂げる。普通の感覚ならば、これを偶然とは呼ばないのではなかろうか。

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