蓮舫代表、“原発ゼロ前倒し”に猛進 危うい足元

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迷走はいつまで続くのか

 朝、起き抜けにトレッドミルで10キロ走る――。

 雑誌「ターザン」でそう語ったのは民進党の蓮舫代表。いわゆる“ルームランナー”でのジョギングは快調の様子だが、肝心の党運営は、足元がおぼつかない。

 というのも、2月16日の党会合で“2030年原発ゼロ”を打ち出すと表明。党内外から猛反発を受けているからだ。

 野党担当キャップが言う。

「もともと民進党は“2030年代ゼロ”を目標にしていましたが、これですら、支持団体の電力総連や、党内の労組関係議員がいい顔をしていなかった。それをさらに最大9年前倒しですから。しかもいきなりぶち上げたもんだから、批判の嵐にさらされています」

 代表を支える立場の党執行部役員も呆れ顔だ。

「根回しもなにも、まず前倒しにできるという具体的な根拠がないんだもん。それじゃあ誰も説得できないでしょ。口だけなら誰でも言えるからね。実現可能性が低いものを公約にしても、マイナスにしかならない」

 20日の囲み取材で改めて“30年ゼロ”を強調した蓮舫氏。こうした猛進の背景を、政治部デスクが読み解く。

「これまで教育無償化や、同一労働・同一賃金など、民進党が掲げてきた公約は、悉く自民党にパクられてしまっています。そんな中、唯一独自色を出せるのが原発政策。3月12日の党大会で発表し、自らの指導力をアピールしたかったのでしょう」

 民進党中堅議員の嘆き。

「事情はもっと深刻ですよ。今夏の都議選に向けた世論調査の結果がひどい。このまま低空飛行が続けば、民進党が18ある全ての議席を失う可能性が出てきている。代表の御膝元でそんな結果になれば、いくら地方選挙とはいえ、辞任の可能性が出てくる。蓮舫降ろしの声も上がっていて、支持率回復のために焦っているんです」

 いつコケてもおかしくない、危うい走りなのだ。

週刊新潮 2017年3月2日号掲載

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