いまさら小池都知事を持て囃す蓮舫新代表選出で心配になる民進党の「人を見る目」

国内2016年9月23日掲載

■小池都知事がまぶしい?

 9月15日、民進党は新代表として初の女性代表となる蓮舫氏を選出した。

 当日の夜には、各局のテレビ番組に生出演し、その高いPR能力を発揮。その後の世論調査で「新代表に期待する」と答えた人が5割を超えていた点を見ると、党の「顔」としてとりあえずは合格点のスタート、というところなのだろうか。

 しかし、実は代表戦の最中に発表された世論調査では民進党の支持率は下がっていた。通常よりも関心を集めている時期にもかかわらず、である。
 なぜそうなるのか。

 国民の中には、彼らの「人を見る目」への信頼が薄れてしまっているというのも理由の一つではないだろうか。「人を見る目」が無い人たちが選ぶ人ってどうなんだろう……という不安が拭えないのではないか。

 蓮舫氏は最近、テレビ番組(フジテレビ系「バイキング」)の中で、小池百合子都知事について、「チャレンジを果敢にされている姿は、党派を超えて女性としてはまぶしいです」とコメントしたという。

 しかし、ほんの2カ月ほど前に、彼女を含めて民進党が別の都知事候補者を強く推していたことは、さすがにほとんどの人が忘れていない。その際には、声を揃えて小池氏を強く批判していたのだが……。

 都知事選は蓮舫氏らにとってはもはや「黒歴史」なのかもしれない。しかし、あえてその「人を見る目」を考えるうえで、彼女たちが絶賛していたあの候補者、そう鳥越俊太郎氏について、もう一度振り返ってみるのも悪くはないだろう。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が新著『バカざんまい』の中で、都知事選を取り上げている箇所を引用してみよう。

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ネットニュース編集者の中川淳一郎氏。おときた都議会議員とのイベントで都庁の闇を暴く!?(9月26日開催)

■「弱者救済!」を売りにするバカ

 都知事選についてもうひとつ。選挙期間中、鳥越俊太郎候補が7月24日にツイートしたこの内容には目を疑いました。

〈大学生の訴えです。「大学を出たら一人暮らしをしたい。しかし今、東京の家賃は高すぎませんか。6万7万します。これでは家族から自立して暮らすことはできません。まず誰でも普通に住めるようにしてほしい。最低賃金を1,500円にしてほしい」〉

 ここで同氏が言いたいのは「東京は家賃が高過ぎる」「バイト代も安過ぎる」。よって、お上主導で家賃を安くし、バイト代を高くしろ! ということです。そのうえで、若者が「最低賃金は¥1,500」や「上げろ最低賃金」「公営住宅今すぐ増やせ」というプラカードを掲げている写真を公開したのです。

 確かに、賃金は高くしてもらいたいですし、家賃は安い方がいい。しかし、バイトの賃金については、安いものを求める消費者だらけの日本において、企業がその額を高くすることは難しいでしょう。家賃にしても大家さんが困りますし、都が家賃補助をしようにもその財源は税金になるわけです。東京で公営住宅を増やせと言っても、どこに土地があるのでしょうか……。

 もう、鳥越氏のこの理想論と「弱者救済!」アピールにはほとほと呆れました。というか、鳥越氏というよりも、日本の「リベラル」と言われる方々の姿勢に対して、です。何があろうとも、現在の日本の与党に対して批判をし、金持ちを悪人扱いして貧乏人を善人扱いしておけば自身の主張に正当性が与えられると考えている。それで建設的な議論が行われるワケもない。

 また、鳥越氏の場合、7月24日に放送された『バンキシャ!』(日本テレビ系)では「目玉公約」について「反・安倍政権」と「がん検診受診率100%」を掲げていました。後者は医療機関から悲鳴が上がりそうな的外れ提案で、前者は東京とは関係がない。前出・鳥越氏のツイートに登場した若者は戦争反対を訴えるTシャツを着ている。もう何が何やら分かりません。鳥越氏の「がん検診受診率100%」と何の関係もない。とにかくリベラル――いや、もうサヨクと言ってしまいましょう――都知事選は彼らがただただ文句を言う場と化してしまったのです。

 米大統領選の民主党候補者だったバーニー・サンダース氏も公立大学の学費を無料にすると言いましたが、これについてヒラリー・クリントン氏の反論が『完全対訳 トランプ・ヒラリー・クルーズ・サンダース演説集 何が勝負を決したのか?』(星海社新書)に紹介されています。

〈無料の大学という提案ですが、どうでしょうかね、亡くなった私の父はこう言っていました。無料で何かくれる、と誰かが言ったら「細則を読め」と。但し書きを読まなくてはいけないんです。細則にはこう書いてあるのです。(学費を無料にするための)コストの3分の2は連邦政府が負担し、残りの3分の1は共和党知事が仕切る州も含む各州が払わなければならない、と〉

 理想論を語るのはいいのですが、大統領や知事といった実務家はもっと現実を見てほしいものです。

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 都民の側には見る目があったということか、鳥越氏を蹴落として当選した小池新知事の活躍ぶりは見ての通りである。一方で、蓮舫新代表の「人を見る目」にはすでに疑念の声も挙がっている。幹事長に野田佳彦元首相を選んだことへの不安や不満が党内に噴出していると伝えられており、この人選が新たな黒歴史となりそうな気配もあるのだ。

 なお、中川氏は9月26日(月)におときた駿都議会議員とトークイベントを開催する。最近、築地市場移転問題の解説などでメディアで引っ張りだこの都議に、都庁の闇から都議会のバカについてまで聞きまくる予定だという。

デイリー新潮編集部