トランプ「軍事攻撃」リスト 第1弾は“イエメン急襲”、北朝鮮も?

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 米海軍特殊部隊SEALs(シールズ)の下士官1名が戦死、隊員3名が負傷、女性と子供16名を犠牲にし、1機7000万ドル(約79億円)といわれるオスプレイを失った――日本ではあまり大きく取り上げられていないが、これがトランプ米大統領の“初戦”の成績だった。

「トランプは就任式から10日もたたぬ1月29日に初の軍事作戦を行っています。イスラム系過激派組織〈アラビア半島のアルカイダ〉のリーダー、カシム・アル・リミ捕獲を目標にイエメン中部の村を急襲したのですが、“最も危険なテロリスト”3位に入るアル・リミには結局、逃げられています」(国際部記者)

 誰が見ても作戦は失敗だが、トランプ政権は「目的は情報収集。作戦は成功だ」と強弁。オバマ前大統領から却下された作戦を強行した結果がこれだった。

「2月3日にはオバマ政権が〈歴史的核合意〉に達したイランに初制裁、2月15日には、やはり前大統領が消極的だったシリアへの地上部隊派遣を検討中と報じられました。“敵対国”への対応が矢継ぎ早です」(同)

 加えて、イラクでは過激派組織イスラム国(IS)攻撃のため米軍が展開中だ。

「実は、これらの国々に、スーダン、リビア、ソマリアを加えれば、トランプが大統領令で米国への入国禁止を命じて物議を醸したあの7カ国になります」

 とは、現代イスラム研究センターの宮田律氏。

「リビア、スーダンにはISの分派、ソマリアにはアルカイダがいる。しかもこの7カ国は、ネオコンが影響力を揮(ふる)い、イラク戦争を始めたブッシュ政権時代に“打倒すべき国”とされた7カ国と一致するのです」

 実はこれこそ米国が今後、軍事攻撃を行う可能性のある国々の“リスト”なのではないかというのだ。

 外交ジャーナリストの手嶋龍一氏も言う。

「しかも、この7カ国以外でも、米国がいつ武力を発動してもおかしくないという意味で、プロフェッショナルたちが今最も注視しているのは北朝鮮です。空爆というオプションがテーブルに載るかもしれません」

“トランプの世界”では、いつ非常事態が生じても不思議ではない――。

週刊新潮 2017年3月2日号掲載

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