日光に「リッツ・カールトン」、目玉は露天風呂 “入浴マナー”“刺青”問題は

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 旅先の宿で露天風呂といえば、専ら和風旅館という常識が覆るかもしれない。

 ホテル世界最大手の米マリオット・インターナショナルは、2020年夏に最高級ブランド「ザ・リッツ・カールトン」を栃木県日光市に開業すると発表した。

華厳の滝も徒歩圏内

 最低1泊6万円は下らない超高級ホテルの目玉は、リッツとして初めてという温泉が楽しめる露天風呂。これまで、外資系ホテルで客室専用の露天風呂を設けるところはあっても、見知らぬ旅人同士が肌を寄せ合う社交場は例がないのだ。

 運営を請け負う東武鉄道の担当者によれば、

「建設予定地はホテルがあった場所で、硫黄泉の温泉を引っ張っていました。それを活用し、中禅寺湖の美しい眺めと日本の温泉文化を世界中のゲストに体験して頂こうと導入に至りました」

 だが、リッツといえばトム・クルーズやレディー・ガガをはじめ、来日するセレブの定宿として知られる。

 ホテル側も、宿泊者の4割程度を外国人客と想定するが、裸の付き合いによる“文化摩擦”は起きないか。

 年間250日はホテルで過ごすホテル評論家の瀧澤信秋氏はこんな意見だ。

「インバウンドの影響で、各地の温泉では外国人観光客とのトラブルが目立ちます。先に体を洗わず湯船にザブンなんて光景はよく見かける。とはいえ、外資系ホテルには共用空間としてスパがありますし、リッツは欧米の富裕層が上客です。異文化への配慮もありますから、マナーをきちんと伝えれば問題ないのでは」

 ならば一安心だが、もうひとつの心配事は、温泉場に必ずある「刺青・タトゥーお断り」の貼り紙だろう。

「都内では“ファッションタトゥー”なら入浴OKという宿泊施設も出来ましたが、なのに刺青はダメなのかと声を荒らげる方がいるかもしれない。新規開業のホテルとして、どこに落としどころを持って行くかは悩ましい問題ですね」(同)

 ゲストが快適に利用できるよう詳細は検討中とホテル側は言うが、常連のガガ様は全身彫り物だらけ。仮にも日本のご婦人方が鉢合わせすればビックリ仰天! 露天で“見ザル”となれば、せっかくの絶景も台ナシだが、果たして――。

週刊新潮 2016年11月24日号掲載

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