思い当たることのない罪で責められた経験はないだろうか。疑念を言い立て、断定調で激しく詰め寄る相手に、身の潔白を納得させるのはとても難しい。何かが「ある」ことより「全くない」ことを証明する難しさは、「悪魔の証明」とも呼ばれる。
最悪の経過をたどり、長野県の教育史に深く刻まれることになった「いじめ自殺」事件がある。舞台は、上田市にある県立丸子実業高校(現・丸子修学館高校)。家出を繰り返し、不登校になった1年生の男子が、久しぶりの登校を前に自殺したことから、同級生、保護者、教師たちは悪夢のような事態に直面することとなる。...
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少年院で非行少年は「反省」できるのか? 矯正教育のプロが語る問題点
前回の記事では、少年院の「24時間、私語禁止」という厳しいルールとその弊害についてお伝えした。
さて、そうは言っても、厳しい環境下で矯正教育をしている以上、一定の効果はあるのでは、と思う方もいるだろう。
しかし、長年、刑務所での矯正教育に携わってきた岡本茂樹氏は、新著『いい子に育てると犯罪者になります』の中で、少年院での教育にはいくつも問題がある、と指摘している。
岡本氏がもっとも大きな問題点として挙げているのが、「非行少年が自身の内面と向き合うような教育をしていない点」である。...
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