鈴木宗男の“2島先行返還”言動を危ぶむ声…その思惑は

政治週刊新潮 2016年11月17日号掲載

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 来月に迫った日露首脳会談を前に、鈴木宗男氏(68)が怪気炎を上げている。

 自民党関係者の話。

「今月4日に開かれた娘の貴子さん(衆議院議員)の結婚披露宴でお見かけしましたが、出席した安倍総理や駐日ロシア大使らに熱心に挨拶する姿は、議員時代そのままでした」

 その翌日。都内で開かれた自身の講演会では、ロシアとの北方領土交渉について、「歯舞、色丹の2島先行返還方式が現実的」と強調。それに加えて、

「『安倍総理も自分と同じ現実路線だ』と、さも自分が説得したかのような口ぶりでした」(出席者)

捲土重来、狙います

 この動きを心底危ぶみ、是が非でも口を塞ぎたいのが他ならぬ外務省である。

「北方領土問題は今まさに、水面下での交渉が続いています。外交ルール上、関係者が交渉内容に関わることを公言するのはご法度。ロシア側は日本の北方四島に関する報道を逐一注視し、クレムリンに上げていますから、無駄な刺激はしたくない」(外信部デスク)

 とはいえ、それができない事情がある。

「ロシアとの強い外交ルートを持っているのは宗男さんなんです。安倍さんは去年末から何度も彼を官邸に呼び、意見を聞いている手前、注意もできない」(同)

 無論、こうした掟破りの言動は、“思惑”があってのこと。

「来年4月に公民権が復活したら、宗男さんは直近の国政選挙に出馬する予定です。返還が実現すれば、その際に“領土問題を進展させた立役者”と宣伝できるし、還ってこなくても、『今後の日露外交のために、交渉過程を知る自分が国政に復帰する必要がある』と主張できる」(先の自民党関係者)

 北方領土問題を上手く利用する術は、まったく衰えていなかったのだ。