自民・二階幹事長が翁長知事と会談 官邸は静観の構え

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 揉めている場に出張っては俺が仲裁してやると言う。解決するならまだしも、そうでないなら、“俺”はただの目立ちたがりである。

 14日、沖縄を訪問していた自民党の二階俊博幹事長(77)が翁長雄志知事(65)と会談した。知事は“官邸とは違って自由闊達な意見交換ができる”と話していたが、今回、二階氏には特別な思い入れがあったという。政治部デスクの話。

「実は翁長知事のお兄さんと大学時代からの友人で、知事とも何度も会っているのです。さらに、二階氏の後援会も20年ほど前から沖縄にあるんです」

 後援会顧問を務める外間盛善元沖縄県議が言うには、

「新進党の支部を沖縄でも作った縁で親しくなったんです。東京からよく来て飲み会をやっていましたね。二階さんが沖縄に出入りしやすいようにと作ったのが後援会。10年ほど前には、皆で二階さんの地元、和歌山の名所旧跡を訪れたこともあります」

実は翁長知事と仲良し

 一方、最大の懸案となっている基地問題については、

「20年以上の付き合いになりますが、一度も話し合ったことがありません」(同)

 先のデスクがこう言う。

「13日には、菅官房長官とキャピトル東急で対応のすり合わせをしていますが、知事から要望書を受け取ったものの、基地問題への言及は一切ナシ。持論がないですしね。会談の中身も、沖縄の渋滞解消などを陳情したり、自民党の本部に沖縄の物産品を置こうとか、幹事長と知事との話し合いとは思えぬものでした」

 会談は二階サンお得意のパフォーマンスなのか。菅氏は周囲に“アプローチが変わっても、結論は変わらない”と話しているという。

「静観の構えです。福岡高裁で埋め立て承認を求め国と県が争っていた訴訟も16日に完全勝訴。年度内には最高裁での判決が出る見込みで、官邸は以前から司法決着を狙っていた。二階さんが行きたいというので、それなら対話と圧力両面で収めようということ」(同)

 翁長知事が小躍りしても、すべては官邸の思惑通りに進んでいるのである。

週刊新潮 2016年9月29日号掲載

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