小泉進次郎、部会長2期目の異例 農協改革の正念場

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 小泉進次郎代議士(35)が正念場を迎えている。

「この8月、自民党農林部会長の続投が決まりました。部会長は通常1年で交代なので異例です」

 と農政担当記者。

「というのも、4月に彼が提出した農協改革の中間報告案について、党内から物言いが出たから。自身が熱く語っていた『農林中金』解体が盛り込まれていないので踏み込みが甘いと。最後に本人が、“やります”と手を上げた恰好です」

 改革案の最終的な取りまとめは11月だが、これに先立ち9月5日、全国農業協同組合中央会(JA全中)を訪ね、幹部らと面会した。

 党中堅議員の話。

「彼は改革案の焦点を大きく2つに絞っています。1つは、農協が農家に販売している肥料や農薬の価格改定。現在国内の価格は海外に比べ割高で、農家の家計を圧迫している。もう1つは流通。農家から消費者に届くまでに問屋を何社も通し、マージンが発生する。その間を取っ払い、農家の収入を増やす。幹部にも強く改革を迫りました」

 これが奏功したのか、JAは今月8日、農薬の値下げを図ると発表した。

 農水省関係者が続ける。

「この6月に農水省事務次官に就任した奥原(正明)さんが、省内きっての改革派。官邸の信頼も厚く、進次郎にとって追い風となっています。JAがすぐ動いたのも、奥原さんの存在が大きい」

 ともあれ、改革案の取りまとめには、党農林部会の意見統合が不可欠だが、

「進次郎は若手議員4~5人だけで会議を開き、案を練っています。出来上がると部会の重鎮である西川(公也・元農水相)のところへ行き、『これで行きますから』と半ば強引に了承を得て、話を進めていますよ」(同)

 あとはぶっ壊すだけ。

週刊新潮 2016年9月22日菊咲月増大号掲載

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