〈「お言葉」を私はこう聞いた〉左右の極論を排して――三浦瑠麗(国際政治学者)

社会週刊新潮 2016年8月25日秋風月増大号掲載

 天皇陛下のお言葉をめぐる議論は、日本という国の歴史の中で天皇が果たしてきた役割について示唆に富むものでした。有体に言えば、様々な政治勢力が自分に都合の良いようにお言葉を解釈するという伝統です。

 お言葉の中で際立っていたのは、「個人」として表明された極めて人間的な感情であったと思います。それは、自分が大切にしてきた務めを果たせなくなるという懸念であり、残される家族への不安や労わりでした。伝統の守護者として各種の儀式を執り行い、災害にあっては国民を慰問し、古戦場を訪れて犠牲者を慰霊する。

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