池上彰さんが「リズム」をホメた「日本国憲法」の条文は?

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■池上訳「憲法」とは

 池上彰さんが、政治や経済の難しい話を子供にもわかりやすく解説する名人だということに異論を述べる人はいないだろう。その池上さんが、「日本国憲法」の全文「超訳」&徹底解説に挑んだのが、『超訳 日本国憲法』。

「日本国憲法」は、70年近く昔の文章だけに、堅苦しい表現やわかりづらい用語も多い。同書では、それらを池上さんが、できるだけわかりやすく訳してくれている。

 たとえば、第1条。

「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」

 が原文。

「天皇は、日本という国の象徴であり、国民がまとまっているという象徴である。日本国民みんなが認めているから、天皇の地位がある」

 が超訳版。

 第24条は、

「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」

 が原文。

「結婚は、男女二人の合意で成立する。他人が口を出すことはできない。夫婦は同じ権利を持っているのであり、お互いが協力して維持しなければならない」

 が超訳版。

■リズムがいい!

 もちろん、憲法も全部が難解な文章というわけではないので、その場合はわかりやすい解説を加えるだけにしているのだが、そんな中でも特に池上さんが原文の文章を褒めている条文がある。それが「学問の自由」を述べた第23条だ。

「学問の自由は、これを保障する」

 なぜこれは「超訳」しなかったのか。池上さんはその理由をこう語っている。

「声に出して読んでみてください。リズムがいいでしょう。実は、五七五のリズムになっているのです」

 たしかにそういわれてみると、この23条、

「学問の 自由はこれを 保障する」

 と俳句のような感じで読むことができる。

 憲法の「リズム感」に注目するあたりは、やはりテレビで活躍している池上さんならではの視点だと言えるだろう。

デイリー新潮編集部

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