木村沙織が引退 “中田新監督”で女子バレーはどうなるか

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 どうにか1次リーグは突破したものの、8月16日の準々決勝では米国に完敗、5位に終わった女子バレー。次回は開催国枠での出場が約束されているのだが、新体制作りは焦眉の急である。

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4年間ありがとう(写真は木村沙織 公式ブログより)

 米国戦を終えた主将の木村沙織は、

〈今後のことは何も考えていない〉

 と、自身の進退について明言を避けた。スポーツ紙デスクが言う。

「ロンドン五輪で銅を獲った直後にトルコリーグへ移籍した木村は、1シーズン限りで引退するつもりでした。が、眞鍋政義監督から直々に代表チームの主将を託され、熱意にほだされて現役続行を決めたのです」

 それでも今大会は、

「5月の最終予選で右手小指を痛めたこともあり、スパイクの決定率は低く、ブレーキとなっていたのは明らか。敗退が決まった直後、コートで円陣を組んだ木村はチームメイトに『4年間ありがとう』と告げています」

 心積もりは固まっているというのだ。さらに、

「バレー協会側は人事を一新したい意向で、09年からチームを率いてきた眞鍋監督の退任も、ほぼ確実となっています」

 後任の最右翼は、セッターとして84年から五輪に3回出場し、現在Vリーグの久光製薬スプリングスを率いる中田久美監督である。

「リーグで3度の優勝を果たし、指導者としての実績も申し分ない。就任すれば生沼スミエさん以来、2人目の女性監督となります」

 が、依然“高い壁”は立ちはだかっている。元日本代表の川合俊一氏が言う。

「身長185センチの木村に対し、世界のエーススパイカーはみな190センチ台。3センチ違えば手の長さも加わって6~7センチ差になり、平均身長が10センチ違うと、柔道でいえば3階級上と戦っているようなもの。日本は細かいコンビネーション技術は十分ですが、この“差”がある以上は厳しいと思います」

 解決をみないままである。

「ワイド特集 『メダル』の夢の後始末」より

週刊新潮 2016年9月1日号掲載

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