ロンドン銅・清水聡、プロボクサー転向の裏事情

スポーツ週刊新潮 2016年8月4日号掲載

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 先のロンドン五輪で活躍したボクサーといえば、ミドル級の“ゴールデンボーイ”村田諒太(30)を真っ先に思い浮かべるが、実はもう一人、バンタム級の清水聡(30)も銅メダルを獲得している。

 ロンドン後にプロ転向した村田は7月23日、米ラスベガスでの試合で1回TKO勝ちで11連勝。次戦は秋に世界戦、との声もある。

 一方の清水。こちらは29日にひっそりとプロテストを受ける予定だ。

「アマ団体である日本ボクシング連盟の山根明会長に翻弄され続けています」

 とボクシングライターが囁く。山根会長といえば、プロ宣言した村田に激高して引退勧告を突きつけた、任侠映画さながらの風貌が印象的な“アマボクシングのドン”。結局和解してプロを許された村田と対照的に、清水はアマを続け、リオ五輪を目指した。だが、結果的にはこれが凶と出た。

「アマの国際連盟が旗揚げして失敗に終わりつつある『APB』というプロ団体があるのですが、清水は山根会長の号令でそこに選手登録。ところが彼は、APBの試合を欠場したことを理由に、1年間の出場停止処分を科され、世界選手権に出場できなくなってしまいます。そのため、リオの代表決定戦にぶっつけ本番で出るはめになった」

 結果は、新鋭に敗北。リオの夢は霧散した。

「実は、清水が受けた処分は、日本連盟にも落ち度がありました。山根会長はそれを負い目に感じ、彼のプロ転向を容認、というか支援することになった」

“目指すは世界一”と意気込む清水だが、

「4団体に増えて世界王者になりやすくなったとはいえ、彼の場合は東洋王者がいいところ。三十路ですし、プレースタイルがプロ向きではない。そもそも実力からして微妙。ロンドンの銅は、判定が覆るという僥倖の賜物でしたから」

 災い転じて福となるか。