前天皇と比較される「新天皇」はやりづらい?〈生前退位の大疑問〉

国内 社会 2016年07月30日

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 国を象徴する唯一無二の存在である陛下も、皇太子さまにとっては幼少のみぎりから背中を見て育ってこられた、頼もしい父という面を併せ持つ。下世話に申せば、巷では隠居した先代と後継ぎの二代目は何かと比べられ、時に粗探しまでされるもの。仮に陛下が身を引かれ、皇太子さまが新天皇と相成れば、

「陛下と皇后さまは、ともに公的ご活動からは完全にリタイアされるはず。その面では、新天皇のお振舞いに不都合はないでしょう」

 とは、さる皇室記者。が、むしろ国民の目が“難関”となりかねないという。

「“象徴の二重構造”が起こり得ます。皇室に関心が集まるのは結構ですが、先帝と新天皇がいらっしゃる場合、国民の尊敬の対象が定まらなくなる。例えば被災地のお見舞いに新天皇が来られた時、現場で『前の陛下にいらしてほしかった』などと、率直な感想が出てくる可能性は否めません」(皇室ジャーナリストの山下晋司氏)

 かてて加えて、

「ここ数年、雅子さまの問題もあって皇太子さまご一家には“公より私を優先する”とのイメージがついて回っている。これを払拭するとなると一朝一夕にはいきません。ご公務から退かれるとはいえ、両陛下の近況は映像などで時折報じられることもあるでしょう。そのたび世間は、まだ記憶に新しい陛下の現役時代を思い起こさずにいられないはずです」(前出記者)

 新天皇におかれては、思いがけぬ試練が加わりそうな予感なのだ。

「特集 『天皇陛下』生前退位に12の大疑問」より

週刊新潮 2016年7月28日号掲載