「産褥期なめてました」――釈由美子もブログで本音吐露、まじめな新米ママを苦しめる「産後うつ」とは

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■自主規制するママたち

 タレントの釈由美子さんは、自身の誕生日である6月12日に待望の第一子男児を出産した。「超スーパー安産」で、産まれた瞬間、ただただ感動して涙が止まらなかったそう。それまでもほぼ毎日更新されていたが、産後も1日も休まずブログを更新し、母になった喜びと幸せを綴っていた。

 が、産後4日目に様子が変わった。本来ならめでたく退院を迎えるはずだったが、症状的には何の問題もないものの、釈さんは延泊をお願いしたという。

 理由はずばり、産後うつである。

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 産褥期なめてました このまま、予定通り 本日が退院だったらと思うと 立ちくらみがします

 小さな小さな儚い命が この腕の中にいて その尊さと隣合わせにある責任の重さに

 ひとり震えました

 そして理由もなく ただただ涙が止まりませんでした。。

(以上ブログより抜粋)

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 ブログなんて書いていないで寝ればいいのに、と思う人も多いかもしれないが、こうやって飾らない不安や孤独を外に吐きだずことはとても大切だ。

 なぜなら、望んで妊娠・出産したにもかかわらず、育児中にどうしようもない不安や孤独に襲われ、ノイローゼ気味になってしまう「産後うつ」の数は一般的なうつの5倍以上にも上るからだ。まじめな性格な人ほど陥りやすいといい、その実態は案外知られていない。

 周囲からの祝福があればあるほど、幸せな時に愚痴を言うなんて母親失格――と、母親たちは自らの苦しさを“自主規制”してしまうのがその一因だ。

産後うつはママのせいじゃない――大反響のNHKスペシャル

 そんな中、今年1月と3月に放送されたNHKスペシャル「ママたちが非常事態!? 最新科学で迫る ニッポンの子育て」は大反響を呼んだ。同番組の「科学的な視点」によると、母親たちが出産後、不安や孤独を感じるのは、科学的には「当たり前」のこと。妊娠中から分泌量がどんどん増え続ける胎児を育むために必要なホルモン、エストロゲンは、出産を機に急激に減少してしまう。すると、母親の脳では神経細胞の働き方が変わり、強い不安や孤独を感じるようになるというのだ。
 
 望んで妊娠したにもかかわらず、思うままにならない身体の変化に悩み、産後、体験したことのないような孤独感に襲われた漫画家・はるな檸檬さんも、その孤独や不安、痛みや辛さを夫にさえ伝えられなかったと、自身の妊娠・出産経験を描いた漫画『れもん、うむもん!――そして、ママになる――』のなかで、画像のように告白している。

 他のお母さんはみんな幸せそうなのに、なぜ自分だけ……産後に辛い思いを抱える母親にとって何より必要なのは、子供の父親はもちろん、周囲の人の「産後の母親が不安定なのは、その人の人間性とはなんの関係もなく、ホルモンバランスが崩れているせいである」と正しく理解してくれること――それだけで、母親の気持ちは随分救われる。

デイリー新潮編集部

2016年6月22日掲載

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